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【MTGモダン】禁止改定後のメタ

 ナドゥ禁止からしばらくたったので、現段階でのメタを考察したい。今回もMTGDECKSの相性表をもとに執筆開始時点(9/16)から直近2週間のメタを見ていく。

MTGDECKSの直近15日の相性表

MTGDECKS-MTG Modern winrates
https://mtgdecks.net/Modern/winrates/range:last15days

 上の表は使用率上位10位までの相性表であり、これらを現在のトップメタとする。列挙すると以下の通りだ。

Dimir Murktide/ディミーアマークタイド
総合勝率49%

不利:ボロスエネルギー
やや不利:エスパー御霊、アミュレット

《超能力蛙》をメインに据えたテンポデッキ。「マルドゥエネルギー」や「ルビーストーム」に有利な点が強み。

Boros Energy/ボロスエネルギー
総合勝率58%
不利:
ルビーストーム

エネルギーパーツを多く使った軽グッドスタッフ。「ルビーストーム」と「マルドゥエネルギー」以外に有利。環境の王。

Jeskai Energy Control/ジェスカイコントロール
総合勝率44%
不利:
ボロスエネルギー、エルドラージトロン、アミュレットタイタン、ルビーストーム
やや不利:ディミーアマークタイド

《空の怒り》が特徴のコントロールデッキ。環境トップに対して不利が多く、有利がとれる「ドメインアグロ」や「エルドラージブリーチ」の勢力がそこまで大きくないのもつらい。

Eldrazi Tron/エルドラージトロン
総合勝率53%
やや不利:
ボロスエネルギー、エスパー御霊

MH3の各種エルドラージで強化された土地コンボデッキ。トップメタに苦手なデッキが少なく、悪くない立ち位置にいる。「ボロスエネルギー」に対してそこまで不利じゃないのは大きい。

Mardu Energy/マルドゥエネルギー
総合勝率55%
不利:
エルドラージトロン
やや不利:ディミーアマークタイド、アミュレットタイタン

《血染めの月》を捨ててハンデスや《オークの弓使い》をとったエネルギーデッキ。その結果「ルビーストーム」との相性は改善したが、土地コンボには不利に。

Domain Aggro/ドメイン
総合勝率48%
不利:
ボロスエネルギー、マルドゥエネルギー、アミュレットタイタン
やや不利:
ディミーアマークタイド、ジェスカイコントロール

《ドラコの末裔》が軸の五色デッキ。エネルギーデッキや「アミュレットタイタン」には明確に不利だが、ほかのデッキに対しては五分程度なことが多い。そのおかげで総合勝率もそこまでひどくない。

Esper Reanimator/エスパー御霊
総合勝率52%
不利:
ボロスエネルギー、マルドゥエネルギー

《偉大なる統一者、アトラクサ》などをリアニするコンボデッキ。エネルギーデッキには振るわないが、それ以外の「ディミーアマークタイド」「エルドラージトロン」「アミュレットタイタン」「ルビーストーム」といった立ち位置の良いデッキに有利をとれる。

Amulet Titan/アミュレットタイタン
総合勝率58%
不利:
エスパー御霊、ルビーストーム
やや不利:
ボロスエネルギー、エルドラージトロン

《精力の護符》でバウンスランドを活用する土地コンボデッキ。勝率だけで言えば「ボロスエネルギー」に並ぶ。「ボロスエネルギー」と比べると「マルドゥエネルギー」に強い点はうれしいが、依然「ルビーストーム」には不利であり、「ボロスエネルギー」「エルドラージトロン」といった主要デッキに微不利なのが難点。

Eldrazi Breach/ブリーチ
総合勝率42%
不利:
ルビーストーム以外

《裂け目の突破》で各種大型エルドラージを踏み倒すコンボデッキ。使用率に対して勝率があまりにもよくない。サンプル数は少ないがティムール型の勝率は悪くないのでそちらにシフトした方が無難か。

Ruby Storm/ルビーストーム
総合勝率50%
不利:
ディミーアマークタイド
やや不利::
エルドラージトロン、マルドゥエネルギー、ドメイン、エスパー御霊、ブリーチ

《ルビーの大メダル》などで加速するストームコンボデッキ。「ボロスエネルギー」に唯一有利をとることができる。「アミュレットタイタン」にも強く、高勝率デッキに有利な部分が強み。一方で微不利な相手が多く、全体的な勝率は50%に落ち着いている。環境の王殺し。

メタゲーム考察

 まず見ていただいたように現在のメタゲームの王は「ボロスエネルギー」だ。ほとんどのデッキが「ボロスエネルギー」に対して不利を背負っている。

最強「ボロスエネルギー」

  その「ボロスエネルギー」に対抗できるデッキとして「ルビーストーム」と「マルドゥエネルギー」がある。

「ボロスエネルギー」に対して、
「ルビーストーム」は有利、「マルドゥエネルギー」は五分~微有利

 その「ルビーストーム」と「マルドゥエネルギー」に対しては「ディミーアマークタイド」と「エルドラージトロン」が有利をとっており、それらに再び「ボロスエネルギー」が有利をとるという三角形のメタゲームになっている。

よくある三角形メタゲーム

 MTGの下環境のメタゲームは大体こんな感じの三角形を形成する。そして良いメタゲームというのは、この三角形に様々なデッキが割り込むことができる状態のことだ。

 『一つの角には超有利だが、ほかの角には弱い。』『二つの角には有利だが残る一つの角には勝つことができない。』『二つの角に弱いが、三角形以外のデッキには強い。』といった具合に、三角形以外の様々なデッキがメタに食い込む多様性のある環境、これが一般的に良い環境とされている。

 今のモダンは環境初期ということもあり限りなくそれに近いのだが、気にかかるのは「ボロスエネルギー」の圧倒的強さによるアンバランスさだ。不利なデッキが少なすぎるので『とりあえず「ボロスエネルギー」で』といったデッキ選択になりかねない。

 また、「ボロスエネルギー」に対抗できるデッキの一つが「マルドゥエネルギー」というのも懸念点だ。どちらも同じエネルギーを主軸としており、はたから見ると同じデッキがメタゲームを占有しているように見えてしまう。

 今後もこのメタゲームが続くようなら、エネルギーから禁止が出る可能性もあるだろう。一方で使用率がこれ以上エネルギーに偏らなければ、あえて許容範囲ギリギリに歪んだメタゲームを楽しんでみようと判断されることもあるかもしれない。

 いずれにせよ新環境は始まったばかりだ。


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