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もう自分を責めないで

「私の何が悪かったんだろう?」
不本意な出来事や問題にぶつかったとき、思わずこう考えてしまいませんか?
何が悪かったかを考えて、自分のことを責めつづけているうちに、余計に落ち込んでしまう……。

どうしてこんなことが起こるのでしょうか?
それは、人間の脳には『ひとつのことを尋ねられるとその答えを探しつづける』という習性があるからなのです。

お昼に入ったカフェで、私は懐かしいメロディを耳にしました。
「あーあ、この曲なんだったっけ?」と思ってもタイトルが出てきません。うーん、うーん、思い出せない……。

その夜、湯船に浸かっていたときに、突然タイトルが浮かびました。あれから10時間もたって、曲のことなんてすっかり忘れていたというのに。
脳は密かに、質問の答えを求めて私の記憶のなかを探しつづけていたんですね。
あなたにも似たような経験がありませんか?

この脳の習性を知ったとき、私は自分がしてきた“あやまち”に気づいてドキッとしました。
問題にぶつかるたびに「私の何が悪かったんだろう?」と自問していたことです。

「私の何が悪かったのか」と尋ねれば、脳は悪いところを探しつづけ、「ここがダメ」「あれも失敗」と指摘してきます。私はだんだん自己嫌悪を感じて、自分の価値を認められなくなってしまうことがよくありました。

じゃあ、質問を変えよう!
困ったときも、ショックを受けたときも、頭にきたときも、質問はこれだけ。
「それでも私にできることはなんだろう?」

どん底でこれ以上がんばれない。落ち込みすぎて未来のことなんて考えられない。そんなときこそ、『それでも私にできること』を問いつづければいいんだ、と思ったのです。
ひどく落ち込んでしまうと、まるで気力がわいてこないこともあるでしょう。そんなときでも、自分に問いつづけてください。

「それでも私にできることはなんだろう?」
「ぜったいにあきらめたらいけないことはなんだろう?」
「自分を勇気づけるためにできることはなんだろう?」
「人生を放棄しないためにできることはなんだろう?」

すると……

あなたの心がどんなになえていようと、脳は解決の糸口を探して動き出します。そして、今からできることを見つけくれます。
その答えは、すぐに返ってくることもあれば、何日もかかることもあると思いますが、あなたが眠っているあいだも脳は答えを探しつづけています。

きっとあなたは、絶妙なタイミングで知恵がひらめき、前に進むための方法を思いつくでしょう。
自分への質問を変えるだけで、どんな困難に見舞われても、「答えは自分のなかにある」と気づけるのです。


★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★

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