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空間や物における情報化とは

床面積を意識した整理

コロナ禍でリモートワークが増えたので、地代を圧縮するために、拠点の整理を行った。本社のある恵比寿の周辺に、小さな物件をいくつか借りていたが、どうしても必要な場所を除き、すべて解約することにした。メンバーの移動はもちろん、荷物の整理や引越しもしなければならないが、それは、同時に、空間をシビアに活用していかなければならないということである。メンバーの働き方がどうなるかを見越し、家具や備品を断捨離しつつ、残ったスペースを、執務や収納に、(それ以外のまったく新しい使い方だってあり得る)うまく使っていかなければ、働きづらいオフィスになる。ただでさえ集まる機会が減ったこの状況においては、重要な問題だ。単に拠点や備品を整理するだけでなく、図らずも刷新されてしまった働き方に合わせ、空間や物についても、見直すこととなった。

オフィスを綺麗にしていく段階

整理整頓には、いくつかレベルがあるように思う。

1:整理
  1-1:全ての物を把握する
  1-2:不要な物を捨てる
2:整頓
  2-1:正しい位置に置く(所属、利用シーン、利用頻度などを考慮)
3:運用
  3-1:整理整頓された状態を保ち続ける
    3-1-1:情報をドキュメント化する
  3-2:より良い状態へアップデートする

「整理」と「整頓」はセットで一つの単語のように使われているが、厳密には意味合いが違う。それぞれの意味は上記であるのだが、「整理」をして初めて「整頓」ができる。一般的にうまくいかない時は「整頓」が疎かになっているケースが多いのだと思う。正しい状態を維持するためには、その物の所属、利用シーン、利用頻度などを考慮して位置を決めてあげなければならない。正しい位置にあれば、綺麗な状態をキープすることが容易になる。

今回のNEWPEACEのように、小規模の拠点を複数持っている場合は、すべての場所を立ち上げ直すのとほぼ変わらず、しかもそれを、実際の立ち上げより遥かに短い時間で済ませなければならない。複数の工事現場を管理する現場監督のような意識で、僕は進めている。

「意識が通う」レベルまでに備品を把握

現在は、全ての物を把握するという段階をやっとクリアしたところだ。これまでは、この類のことを管理している僕自身も、アレはあのへんにあるだろう、くらいの認識のレベルであったが、ここまでの作業で、何がどこにあるか、完璧に言い切れるようになった。全ての拠点のあらゆる物に関し、「意識が通う」感じだ。

やってみて初めてわかったことだが、「全てを仔細にわたり把握している」ということは、非常に重要である。一部のものについてなんとなく知っている、というくらいでは、物を探す時の効率を多少上げられるのが関の山だが、全てを把握していれば、その情報は「コロナ環境下で組織の物理的な空中分解を防ぐ」という、圧倒的に価値の高い仕事につながる。

もちろん、次の段階も存在する。それは、情報が僕の頭の中にあるか、ドキュメント化されているかということだ。情報は、更新するだけでは情報のままだが、情報も整理整頓のプロセスで考え抜いた僕の「実践」の価値を乗せて外部化することで、「資産」になる。そして、資産は「運用」することができる。つまり、現実に価値を生み出すことができるようになるということだ。事業も、マネタイズする前に資産を積み上げることが必要なのと同じで、情報も資産化しないと本質的には役に立たない。

非常事態宣言下でも一人で出社してオフィスを切り盛りしていた頃から、すでにオフィスが自分の家のような感覚を覚えている。家が寝室でオフィスがリビングと書斎のような感覚。綺麗になっていくオフィスに嬉しさを覚えている。これがオーナーシップの正体だし、もっともっと住人として、メンバーが来たくなるような空間にしていきたい。

▼NEWPEACE 

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