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#006 リモートワークのQOLを10倍にしてくれるハイエンドコーヒーメーカー「クレアティスタ・プラス」

 【木村ヒデノリのTech Magic #006 】 仕事をする上でコーヒーが欠かせないという人は「できる限り美味しいものを飲みたいが、手間がかかりすぎる」という問題に直面したことがあるだろう。こだわるのなら休憩としてハンドドリップするのも良いが、手軽さと美味しさの両立を求める声も多いはずだ。

 今回紹介するネスプレッソの「クレアティスタ・プラス」は効率と美味しさのバランスがとれた完成度の高い製品。ミルク入りコーヒーも含めたレシピがここまで手軽に楽しめるマシンは筆者が知る限り唯一で、味もお店のコーヒーに引けを取らない。リモートワークという働き方が増えていく中、自宅にプロ品質のコーヒーが飲める環境をつくるのも有意義ではないだろうか。

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金属製でハイエンド機ならではの高級感が漂うネスプレッソの「クレアティスタ・プラス」
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背面には1.5Lの大容量タンクを搭載、1回の給水で10杯程度の抽出が可能
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コンテナには使用済みカプセルが約13個入るので、頻繁に処分せずに済む

カプセル式コーヒーメーカーの最高峰

 「カフェスタイルの高品質なコーヒーを自宅で簡単に」がクレアティスタ・プラスのキャッチフレーズだ。 いわゆるカプセル方式のコーヒーメーカーで、ネスプレッソブランドで販売されているさまざまな品種のコーヒー豆から好きなものを選び、1杯ずつ淹れることができる。

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カプセル方式はさまざまな豆をその時の気分で楽しめるのも魅力

 カプセルは豆を挽いた後すぐに密閉されており、常に新鮮な状態。ネスプレッソのカプセルは種類も豊富で新しい豆も随時追加されているが、豆にこだわりたいのであればカプセルをDIYできるサードパーティー製カプセルもある。メーカー非推奨だが、自分でゲイシャ種など高級豆カプセルを自作することも可能だ。

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ミルク入りレシピに合うものやカフェインレスなど、さまざまな種類がラインナップされている

 他のコーヒーメーカーと大きく違う点は、抽出済みの豆の廃棄や洗浄の必要がなく、カプセルを捨てるだけという点だ。定期的な湯通しなどは必要なものの、一般的なコーヒーメーカーと比べればこの手軽さは画期的だろう。

ミルクレシピも手軽にしてくれる自動洗浄機能を搭載

 さらに特筆すべきは「ミルクスチーマーの自動洗浄機能」だ。通常のミルクスチーマーはスチームを止める際にミルクが少量ノズル内に戻ってしまう。この逆流を解消するために、ミルクピッチャーを外した後、必ずスチームを空噴射することが必要だ。

 一方、クレアティスタ・プラスではアームを戻すとノズルから熱湯を噴出して自動で洗浄してくれる。ミルクスチーマーを使ったことがない方はピンとこないかもしれないが、これは非常にポイントが高い。実際これが面倒で何度もマシンを使わなくなってきたこともあり、この機能が購入の決め手になったほどだ。

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ミルクピッチャーを外すとお湯を噴出し詰まりを防いでくれる

 そのほかブラックコーヒーやフォームミルク入りのコーヒーなど、合わせて8種類を簡単に作れるのも魅力だ。さらにフォームミルク入りメニューの場合、各メニューに最適な泡立ちのミルクを自動で作ってくれる。美味しいフォームミルクを作るのは意外とコツがいるので、温度管理も含めてマシンがやってくれるのはありがたい。

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メニューはブラック系3種、ミルク系4種とミルクフォーム単体の全8種
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全自動で作られるミルクフォームはきめ細かくプロ並みの仕上がり

1日何回淹れてもストレスにならない起動時間も秀逸

 起動時間が短いのもメリットだ。クレアティスタ・プラスが立ち上げから4.5秒で抽出できるのに対し、同社のエントリーモデルであるエッセンサミニはスイッチを入れてから抽出までに約30秒もかかる。仕事をしながら使っていると、30秒の間に別の事を始めてしまい、うっかり忘れて戻ると電源が自動でオフに…といったことが頻発した。これはかなり使い勝手が悪い。

 エッセンサミニ以外のモデルでも抽出可能状態になるまで25秒~30秒かかることを考えても、この4.5秒という起動時間はクレアティスタ・プラスならではの強み。数十秒だが使い勝手に与える影響は意外に大きいのだ。

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ミルク温度も11段階の設定が可能でこだわったフォームミルクが作れる

エントリーモデルと比べ価格6倍の実力とは

 機能的には申し分ないが、デメリットは価格だ。7万1500円という価格はエントリーモデルであるエッセンサミニの約6倍で、そこまでの金額を出すべきかは一考の余地がある。そこで、実際にエッセンサミニ(C30-WH)との間に味の違いが出てくるか、などを検証してみた。

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ミルクメニューを作れるモデルと比較しても価格は2倍と群を抜いて高い

 まず、ある程度条件を揃えるために、カプセルを入れない状態での水量を同じにした。カプセルはChiaroキアロ(生産国ケニア、インドネシア)というものを使い、何杯か抽出して比較してみた。

 特に違いを感じたのは酸味で、エッセンサミニの方が“嫌な”酸味が出てしまっている印象。スペック上では同じ19気圧となっているが、抽出してみるとエッセンサミニの量はやや少なかった。このあたりも影響しているのか、クレアティスタ・プラスで抽出した方は時間をおいて冷めた状態で飲んでも輪郭がはっきりしていた。「酸味や苦味、風味が同時にくる」という感覚だ。

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左がクレアティスタ・プラス、右がエッセンサミニでそれぞれ抽出したもの

 対してエッセンサミニで抽出した方は最初に酸味が感じられ、おさまると苦味…というように順番にくる印象。同時に味わえないと“コーヒーの味”として捉えづらく、輪郭がぼやけているという風に感じた。もちろん筆者はバリスタではないので専門的なことはわからないし、あくまで素人の感想だが違いははっきりわかった。

 エスプレッソだけでなくルンゴやカフェラテも淹れてみたが、やはり量はエッセンサミニの方が少ない。味の違いは水量が多いルンゴの方がわかりやすく、カフェラテになるとさらにはっきりとした違いが感じられた。

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クレマはエッセンサミニの方がきめ細かいが、味のバランスではクレアティスタ・プラスが優っていた
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カフェラテの品質は見た目・味ともにお店クラスといってもいいだろう

 抽出したコーヒーの味だけでいうと、正直6倍という価格差を埋める違いは感じられなかった。しかし、ミルクメニューがここまで手軽に淹れられるマシンが他にない点など、総合的な完成度でみれば購入を一考する余地はあるのではないだろうか。

 筆者は2年間使い続けているが、毎日の仕事に欠かせないものになっているし手入れを面倒に感じたこともない。コーヒー愛飲者なら、良いコーヒーは仕事効率に大きなプラスになるだろう。その意味で投資するなら賢い選択といえるかもしれない。

 余談だが、今回紹介したブラックコーヒーはあくまでエスプレッソをベースにしたものだ。30ml前後で抽出するエスプレッソを2倍くらいの水を使って作るのがルンゴで、厳密にいうと豆から淹れるブラックコーヒーとは別物になる。

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焙煎から抽出まで全自動の「CAFEROIDカフェロイド」はかなり高額

 そこで、通常のコーヒーが好きな方には、焙煎機能付き全自動コーヒーメーカーをおすすめしたい。筆者も知人宅で体験させてもらったが、焙煎したてのコーヒーは格別だったし、焙煎中の香りも楽しめる。クレアティスタ・プラス以上に高価な代物だが、興味のある方は調べてみてほしい。

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