#49 健康におけるゲーム、アプリの可能性

昨日の記事では、健康におけるゲームやアプリの可能性について書く中で、人は「健康になれるゲーム」がやりたいんじゃなくて、「好きなゲームをやっていたら健康になっていた」というのを欲しているんじゃないか、という考えを書きました。

実際、ポケモンGOのヒットのあと多くの“健康ゲーム”が出たものの、ほとんどがすぐに撤退したようです(記事を貼っておきたかったのですが、ちょっと見つけられませんでした)。

一方で、ポケモンGOから数年後、ドラクエウォークが満を持して登場しましたが、こちらは結構なダウンロードとなっていて、いまもプレイされている人が多いのではないでしょうか。

こういったことから考えると、多くの人は「健康になれるゲーム」をやりたいわけじゃない、という仮説はそれなりに説得力があるように思います。

ところで、昨日の日経オンラインのPR記事で、三國志のキャラが使われている歩数計のことが載っていましたが早速ダウンロードしてしまいました(笑)

皆さんも、好きなゲームやキャラが使われていると、ついやってみたいと思ってしまいますよね(^^)

こういったことを考え合わせると、人気のあるキャラやゲームをベースにした健康ゲーム、健康アプリって非常に潜在能力が高いと思うのですが、どうでしょうか?

とは言え、健康関連のサービスって、科学的に正しいアプローチをしないとけないので、科学的なバックグラウンドは当然必要になってきます。

また、個人情報やプライバシーの問題があったり、そもそも「人の健康」っていうのは様々な要因で構成されていることもあって、一企業だけでは得られる情報や活用できる情報にどうしても限界が出てきてしまいます。

実際、科学的なバックグラウンドについては、ウチの会社も自分も多少は持っているものの、こういったゲームやアプリ等の開発能力はなく、「ゲーミフィケーションやナッジ理論を活用した行動変容、継続に繋がる健康サービスを作りたい!」と思っても、自分たちだけでやろうとしてもどうにもならない部分かと思います。

これからはエコシステム、コンソーシアムが重要に?

そんな折、IBMさんが、健康関連のビジネスには複数の企業や機関からなるビジネス・エコシステムが不可欠である、と提唱している記事を見つけました。

記事では、健康関連のビジネスにおける課題の一つとして「人の健康」に関する指標が非常に多岐に渡っていることを挙げています。

例えば、外部から観察できる情報だけでも、表情や視線、姿勢、行動、運動、食事、睡眠とあります。これに検診情報など体内の健康状態を測る指標もあることを考えると、ヘルスケアデータは多くの要素から成り立っていることが分かります。
現状はそのようなそれぞれの要素に対して病院、製薬会社、飲料会社、医療機器メーカー、寝具メーカーなどの企業が個別にデータを取って、治療や自社の製品開発などに役立てている状況です。この先、さらに高齢化が進むなかで、より健康寿命を伸ばしていこう、あるいはペイシェントセントリック(患者中心)やヒューマンセントリック(人間中心)といった個別最適化を考えるとき、各種データを包括的に扱える「器」としてのデータプラットフォームは不可欠になってくると考えられます。もしこれを一社で実現しようとすると、計り知れない労力と予算がかかってしまう。しかし、エコシステムを構築していれば、各企業が集めたデータを分析して活用していくという形が可能になるのです。

現状では「人の健康」に関するデータは個々の企業がデータを取得し、それを個々の企業が活用している状況ですが、今後はエコシステムの中でデータを蓄積し、それをエコシステムに所属する各企業が活用していく形を提案しています。

IBMさんはこのエコシステムの中で、AI技術を核とした役割を担うことを想定されているようです。

一方で、このエコシステムでは、データの共有ということだけでなく、様々な人が参加する中で様々な議論が生じることも、参画企業のメリットの一つとなっているようです。

日本ではなかなかオープンイノベーションが広がりにくい文化があるように思いますが、それでも今後はこういった取り組みが広がっていけばなぁと思う次第です。

それではまた明日!

#ゲーム #アプリ #健康 #ポケモンGO #ドラクエウォーク #三國志 #ゲーミフィケーション #ナッジ #エコシステム #コンソーシアム #AI #IBM #ヘルスケア #オープンイノベーション

<了>

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