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#63 接触確認アプリの活用状況

今日はもともと、健康系のアプリ;カロミルを紹介しようとしていたのですが、今朝、新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を確認できるアプリの使用状況のニュースが出ていたので、そのことを先に記事にしたいと思います。

記事はこちら↓


このアプリ、検査で陽性になった場合に発行される「処理番号」を“自分で”入力する仕組みになっています。

調査では7月3日から8日までの間に登録された数を調べたようですが、この間の登録者はたったの3人。同じ期間での感染者は約1,200人(NHKニュースでは7月3日〜7日で約1,100人と記載)だったとのことで、なんとわずか0.25%

約400人の陽性者のうち、1人しか登録していない計算になります。


それと、アプリのダウンロード数は約610万件とのこと。

こういったアプリが効果を発揮するのは国民の約6割以上がダウンロードしないといけない※とのことですが、これも全く足りないです。

※6割以上必要、という説に対しては色々と意見や異論がありますが、6割あれば十分に効果を発揮するという意味でこの数字を前提に話を進めていきます。


日本の人口は、令和2年(2020年)1月確定値で1億2593万人(総務省統計局)。単純に計算すると、619万件÷1億2593万人=4.9%。

1人が複数台のスマホを持っている人は、それぞれのスマホにインストールしているとすると、この割合はさらに下がってしまいます。

なにが問題なのか?

少なくとも問題は二つあると思います。

一つは、アプリをインストールするメリットやインセンティブが低いこと。

もう一つは個人情報を晒したくないということ。


アプリをインストールするメリットやインセンティブが低い

これは、マイナンバーが一向に進まないことと構図が同じだと思います。

いずれも、基本的に国や管理者が管理しやすいようにつくられていて、利用者のメリットやインセンティブがあまり感じられません。

マイナンバーについてはここでは触れませんが、接触確認アプリについては、たとえ感染者に接触した可能性が通知されても、いつ、どこで、どのぐらいの時間接していたかという情報は得られないとのことですし、また、感染者についても自分で報告しないといけないなど、利用者の良心に大きく依存しているように思います。

特に、楽しければ良い、とマスクもせず集団感染を発生させやすい場所に行ったりしてしまうような人たちには、まったく響いていないと思われます。

こういった無関心層へのアプローチについては、これまで健康系のアプリ・ゲームをレビューしてきた中で感じていることにも良く似ています。

健康系の分野でも一定以上の健康無関心層がいますが、これらの層に対しては「健康が大事ですよ」「このままだと病気になりますよ」「運動しましょう」とアプローチしても全く響かず、これは多くの地方自治体の悩みのタネだと聞いています。

こうった健康無関心層を惹きつけるためには、個人的にはエンターメント性やコミュニケーション機能、ナッジ理論等の活用が重要と思っているのですが、こういったノウハウや理論を取り入れて改良できないかと思案しています。

個人情報を晒したくない

それと、もう一つの個人情報を晒したくない、ということについては、特に「新型コロナ感染」という非常にセンシティブな情報について自分で登録させる仕組みではなかなか登録が進まないように思います。

それと、ちょっとしたことなのですが「処理番号」というのも心理的に抵抗があると思います(自分がなにかモノや腫れ物にされたように感じます)。これは簡単に改善できるので、ぜひ変更いただきたいところです。


このように色々と問題を書きましたが、このアプリは個人情報を取らないことを徹底して開発されているとのことで、その縛りの中でできることは多くないかもしれません。

以下にこのアプリの基本技術を開発した有志の技術者(←完全ボランティアらしいです!)のインタビュー記事のリンクを貼っておきます。興味があればぜひ読んでみてください。


いかに無関心な層の興味や意識を向けさせて、行動を起こさせるか、ということも大事ですが、まずは個人個人ができることを最大限やること。

これが大事だと思います。

皆さんもぜひ、インストールだけはしておいて欲しいところです(^^)

それが誰かのいのちを守ることに繋がります。


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それではまた明日!

<了>

#接触確認アプリ #COCOA #厚生労働省 #厚労省

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