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「Demiちゃんが行く!」#27 写真家 緒方秀美 私小説 "Blankey Jet Cityとの出会い”

こんにちは。18歳で写真に目覚めて私にとっての写真を探し求めて、やっと自分の世界を発揮できる事になったきっかけはミュージシャンBlankey Jet Cityとの出会いでした。


第27話”Blankey Jet Cityとの出会い"

東京に戻り久しぶりにスリリングに気持ちになったBlankey Jet Cityの存在。彼らとの最初の撮影は雑誌のコンセプト通りに進んで無事に終わり、3人がスタジオを去る時のお疲れ様でしたと言ってお辞儀した時の目がとても澄んで綺麗な目をしていた事にハッとした、BlankyJet Cityどんなライブをするんどろうと渋谷公会堂まで観に行った時にデミは衝撃を受けた。
ナイーブで繊細な詩とボーカルに激しい演奏のワイルドな音、ほとんどMCもなく次々と演奏は進めてられていく、このスピード感にドキドキした、皮パンに上半身はだかでめちゃくちゃ迫力がある、最後にドラムスがスティックを会場に投げた瞬間に会場には水しぶきが溢れ、ライブ終了した。
デミは感激した、New Yorkから戻ってきて初めて凄いと思うライブだった
こんなバンドが日本にいたなんて嬉しい、それと同時に前回の撮影じゃこの3人の魅力なんて全く撮れてない!!この躍動感、このスピード感、この迫力、だけど今にも壊れそうな繊細さもある。音を聞いているとバイク、 車、 砂漠。 ハイウエイ、夜の街、デミの好きな世界が見えてくる。Blanky Jet Cityを撮りたい!!! 雑誌の企画じゃないデミの感じたままに撮りたい!!  デミは思春期のころに観たThe Clashの写真の衝撃を思いだした!!!  BlankyJet City私が撮らなきゃ誰が撮る~~~!!! デミはやっと探し求めてた被写体に出会えたんだ。ロックミュジーシャンを撮るカッコイーカメラマンになりたいと思ってた、そしてやっと魂を揺さぶってくるミュージシャンに出会った!!  これだ~~!! デミは血が逆流したかのように、やっと探し求めてた被写体に出会った喜びで体中が熱く燃えてドキドキした。
Blanky Jet City ボーカル浅井健一ベンジー ベース照井利幸ーテルちゃん ドラムス中村達也ータツヤこの三人だ。
その日からデミの頭の中はBlankyJet Cityを撮る事だけ、毎日彼らの音楽聞いては撮影シーンばかり浮かんでくる、あらゆる雑誌、レコード会社に連絡してBlanky Jet Cityを撮らせてくださいとアプローチする、ファッション雑誌でメンズモデルの撮影する時もBlanky Jet Cityを撮るかのごとく激しい撮影になってしまってた。
そんな撮影が受けて仕事はどんどん入ってくるけど、一行にアプローチしているBlanky Jet Cityは動かない、それでも私しか彼らの本来の魅力は撮れないと根拠ない自信でアプローチしていく、レコード会社のプロデューサーは「いや~~鋤田さんや半沢さんも撮りたいと言ってきてくれていますが、待ってもらっているんですよ」と全く相手にされない。
鋤田さんはあのDavid Bowieを撮影してた世界的なカメラマン、半沢さんも大御所のカメラマン、凄いな〜やはり被写体としてもこんなに人気があるんだ、大御所のカメラマンを待たせてると言うくらいだから、名も無い新人カメラマンのデミは全く相手にされない、「不良達のボスみたいなブランキーだから、女性が撮るのは無理でしょう」とも言われた。
でもどんなに大御所でもデミが感じてる彼らのビートまで映し出せないよ、女性だからとか関係ない!! デミだけだよBlanky Jet Cityのエモーションを撮れるのは、そうデミの直感を信じてた、自分自身を信じてた。ブランキーの音を聞いてると同じような音を聞いて育ったんだと感じていた、これを映し出せるのは私だけだから必ず撮る。『私は写真によって人生変わるくらい衝撃受け感動した、だから今度は私が感動与える側に行くんだ!! やるんだ!! 』とデミは決意してた。
ある日の夢にBlanky Jet Cityが出て来た、3人が三宿にあるメキシカン レストラン ZESTの二階で食事している夢だった。正夢かと思い友達の理恵さんを誘ってZESTに行ってみた。夢で観たとおりに二階までの階段のぼると、お客は誰もいなかった。「夢は夢でしたね」とちょっとガッカリしたけど、気持ちを切り替えて食事して、そろそろ帰ろうと階段降りてレジカウンターに行く途中に、大きなテーブルがあって相席で10人くらい座ってる、その中にひとりロングヘアーの男が下を向いて座ってた、その男の事がちょっと気になりジッと観たら、男が顔を上げた。その男はなんとBlanky Jet Cityのドラム中村達也だった!!! その瞬間『会いたかったのよ~~~~!!!」とド迫力で駆け寄り「電話番号教えて!!!」デミの迫力で達也さんは有無も言わずナプキンに即座に電話番号を書いてくれた。「ありがとう写真撮りたいから電話する」と立ち去った。支払い済ませて外で待っている理恵さんに「やった~~~ブランキーがいた~~!!」こうしてデミはブランキーを撮るための扉を開けたのだった。


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