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まだまだ未知の遺物が出てきます。

私は考古学の研究者ではありませんが、考古学や歴史に興味があるため、物理探査の一つの探査象として”遺跡探査”に関する研究もしています。大きな成果をあげるような研究は出来ていませんが、歴史的にも価値がある大阪府岸和田市の今城塚古墳(継体天皇の墓)や福岡県八女市の岩戸山古墳(磐井の墓)での遺跡探査の経験があります。継体天皇磐井の君は同時代の人で、ライバル同士でもあります。この二つの古墳を同じ年に探査できたことには、何らかの因縁を感じます。

今城塚古墳の探査の時には、遺跡探査での劇的な発見はありませんでした。しかし、その後偶然に発見された巨大な埴輪群は、考古学的な大発見として当時はニュースになりました。さらに、福岡県古賀市の船原古墳からは、古墳時代の馬具一式が埋められた土坑が発見されました。これも結構話題になりました。私の研究室では、船原古墳でも遺跡探査を実施しています。まだ発見されてないだけで、日本のどこかに考古学的なお宝が埋まっているだろうと思っていたら、またまた凄いお宝が発見されました。

4世紀後半に造られた奈良市にある国内最大の円墳・富雄丸山とみおまるやま古墳で、盾のような形で裏面に精緻な文様がある大型の鏡が初めて見つかりました。鏡は長さは60㎝余りで、幅は30cmほどです。また、波打つような形をした長大な剣も併せて出土しました。剣の長さは2m30cm余りで、国内で見つかるこのタイプの剣の中で最も古く、東アジアで見つかっている同じ時代の剣のなかでも最長だそうです。日本人の平均身長よりかなり長いこの剣は、実用的ではないので、おそらく見て楽しむ工芸品か、儀式に使う祭器の可能性があります。

富雄丸山古墳は、奈良市の西部にある大型の円墳で、平成29年に精密なレーザー測量を実施して、直径が110m前後もある国内最大級の円墳であることがわかりました。この古墳に、こんなお宝が眠っているとは誰も考えていなかったようで、数年前には一般市民を対象とした発掘体験などが行われていました。タイトル画もその時の写真です。

まだまだ、予想できないようなものが、ひっそりと地下に眠っているかもしれません。今後が楽しみです。

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