悪徳商法の話

最近TLを見ていると、とあるイメージの悪いビジネスのことで賑わっている様子である。麻雀TLが燃えるのはいつものことだが、今回はなかなかに苛烈な様子を見せていた。恐ろしい。嗚呼、世界が平和でありますように。

その話とは一切関係はないのだが、昔のことを思い出してみると、イメージの悪いビジネス=悪徳商法みたいなものに関わったことが一、二度あった。そのときのことを今回は書いてみたい。大学生時代の話である。


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今の世はまさに大スマホ時代で、家に直接自分宛てに電話がかかってくるなんてことはほとんどないであろう。しかし、私が大学生の時はようやく携帯電話が普及し始めた頃で、なんらかの個人あての勧誘電話は家電に直接かかってきていたのだ。

ある日、こんな電話がかかってきた。

「もしもし、秀仁さんですか?私○○と申します。実は今回、あなたに楽しいサークルをオススメするために電話しました!詳しい話をしたいので、ちょっと大阪の××までお越しくださいませんか?」

「あ、ドモ...(〇〇って誰だよ...こんな奴知らねえよ...ていうかなんで俺の家電知ってるんだよ...誰だよ高校の名簿横流ししやがったのは...しかもここで話さず大阪まで呼び出すのはどういう了見なんだよ)

と、いった感じの電話だ。実はこういうのしょっちゅう掛かってくる。
いつもは適当な理由を付けて「あっ、また今度で!」みたな感じで断りを入れるのだが...ある日の比嘉秀仁は違った。そう、めちゃくちゃ暇だったのである。それに加え、当時ハマっていたサイトがあった。numeriというサイトだ。

この人は当時、「宗教勧誘と対決する」とか「援助交際女子高生と対決する」とか「悪徳SPAMメールと対決する」とかの体を張ったレポ記事を投稿していて、それをとても面白がって読んでいたわけ。
時間を持て余し、好奇心旺盛な若者であり、しかも影響を受けやすい比嘉秀仁はこんなもの罠だと知りながらも、「ちょっと話を聞きに行ってやるか」とふと思い立ってしまったのであった。

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そんなわけで、アポイントを取り、大阪まで出向く比嘉秀仁。駅のすぐ近くにあるビルに入り、ふんわり系のお姉さんに出迎えられ、楽しいサークルとやらの話を切り出される。

「えっと、サークルですけど、こんな風にいろいろな遊びができて、リゾートも格安で利用できます!!!」

資料を見せ、いかにみんな楽しそうにしてるか、という写真でこちらのサークル加入意欲を高めてくる。ほうほう、かわいい女の子も結構いるではないか。大学生は暇だし、こういうのに参加するのも悪くないな...と思っていたその時。


「それで、このサークルに加入するにあたってえ~、実はこれを見てほしいんですよ」


画像1

え?指輪?どゆこと??????

「サークルの費用は月5000円なんですけど、ただそれを払うだけじゃもったいなくないですか?将来、こういったサークルでパートナーを見つけることもあると思うんですよ。そうなるといずれ結婚するためにここで指輪を(ローンで)購入して備えておけるんですよ。一石二鳥じゃないですか?」

なるほど~。やっぱりそういう。いやわかってたけど。
そこでふんわりおねえさんに色々聞いてみる。

「これサークル途中でやめざるを得なくなったらどうなります?」
「指輪はいらんので、月会費だけ払って参加したいんですが」
「結婚願望ないので(嘘)、指輪は要らないんですよ」
「女性もサークルに参加してますよね?彼女らも指輪を購入して参加してるんですか?もらう側なのに?」


ロジハラか、というくらいに言葉の棒攻めをしていく。
ふわふわお姉さん途中で憔悴してつらそうな顔してた。ごめんね。

埒が明かないので、お姉さんギブして上司のおっさんと交代。
さっきやった押し問答を同じルートを辿るか?と思いきやおっさんは
「頼んます。我々も精一杯なんとか(優遇)いたしますのでどうか商品を!!!」
と涙目で訴えかけてくる。泣き落としと来たか。電話口でなく直接呼び出すのはこういうこともできるからなのね。なるほど老獪。だが断る。


そのとき、比嘉秀仁のケータイに着信が入る。
友人のAだ。「秀仁?麻雀しようぜ!!!今から!!!!」

大学生時代はすべてに優先して麻雀するのが大事だったので、そこで一気に「帰りたい」という気持ちが湧いてくる。

「あのー、ちょっと急用入ったので帰りたいのですが...」
相手も数時間かけて無駄骨を折りたくはないので、「え?困る!!!」みたいな顔をしてなんとか引き留めようと躍起になり、全然帰らしてもらえる気配ではない。めんどくせえ...

また少しやりとりがあった後、完全にめんどくさくなったので「即クーリングオフすればいいか」と思って、はぁ...みたいな顔をしながらローン記入用紙に渋々記入しようとしたら上司のおっさんも俺の「即クーリングオフするわ」みたいな顔を見て察したのか、


「いいですよ、ウチの悪口を他に言わないって約束してくれるなら帰ってください」


それを聞いて「すみません、お時間とらせまして。それでは失礼いたします」と丁寧に言ってその場を後にした。その時思ったのは

「悪口言われるって思うくらい悪いことしてるって自覚はあったんだ...」ということであった。


そのあとはそのことを忘れて友人たちと麻雀してました。(了)


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今になって思うこととしては反社とかがかんでなくて本当によかったということ。下手したら何か大変な目にあってたかもしれないよね。コワッ。
大学生時もそれを思ってとりあえず二度とこういうのはやめとこう、となりました。


もう一つあるのですが、ちょっと長くなったのでそれは別の機会にまた書きます。


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