見出し画像

障害者 ✕ 糖尿病

田中ひではる

 これから爆増するだろう障害者×糖尿病は、支援者が知識をアップデートすることで予防できる。介護スタッフは介護・福祉だけ学んでればいいわけじゃない。たしかデンマーク…では医療はもちろん、細菌学、公衆衛生学、PT、OT、STなどの領域まで幅広く学ぶことが推奨されていた。

 以前糖尿病について勉強したことがあってめちゃくちゃ学びになったし、脳卒中の再発から回復して最近退院されたご利用者もいるので、スタッフへの注意喚起の意味も込めて書こうと思う。
 障害のある人が糖尿病の治療を行うことは本当に難しいと思う。今もそんな人はたくさんいるんだろうけど…みんなどうしてるんだろう?

糖尿病と脳卒中

 2つとも糖の摂り過ぎで発症する可能性はグッと上がる。
 血液内の糖が多い(血糖値が高い)状態が続くと血管に傷が付く。例えるなら"異物混じりの水"を撒いてホース(血管)に傷が付くイメージ。

 それが限界を向かえて破裂したり詰まったりするのが脳卒中。血糖値が高い状態が維持され毛細血管がやられるのが糖尿病。厄介なのは進行中も痛みがないこと。
 ではなぜ今まで処理できていた糖が血管内に溢れてしまうのか?それはインスリン抵抗性である。簡単にいうと"すい臓ギブアップ状態"。 

インスリン

 糖尿病という病気とセットでよく耳にするのはインスリン。インスリンはすい臓から分泌されるホルモン。
 インスリンの役割は「血中の糖と結び付き、脂肪となり細胞に取り込む」こと。細胞に取り込まれた脂肪はエネルギーとして消費されるが、過剰な脂肪は体にストックされ"肥満"という状態が出来上がる。脂肪肝などの内臓脂肪も同様だ。

 これで以外と知らなかった"太る仕組み"がわかったと思う。
ちなみにこの仕組みの通り「太る=糖+インスリン」なので、タンパク質や油は肥満とは関係なく、もはやダイエットにカロリー計算など不要だと言っている人も多い。 

あれ?痩せた!ラッキー?!

 糖尿病が発症すると痩せる。
その理由はインスリン抵抗性=すい臓ギブアップ状態。すい臓が「もうインスリン出せませ〜ん」と言って白旗を上げている。

すい臓君

 インスリンの役割は「血中の糖と結び付き脂肪となり細胞に取り込む」こと。
そして先ほど書いた「太る=糖+インスリン」。このようにインスリンがないと太れない。血中の糖は血中に残ったまま。
 体に糖は運ばれてくるけど、脂肪に変換されないから体重増加はせず痩せる。
血糖値は高い状態が維持され、ホース(血管)はダメージを重ねていく。

 食事量が変わらないのに痩せてきたらインスリン抵抗性がついたのかもしれない。
 特に日本人はそんなに体が強くないらしく、実際"めちゃくちゃ太ってる人"が少ない。めちゃくちゃ太ってるってことはインスリンがドバドバ出てる証拠。 

糖尿病の怖いところ

 糖尿病が悪化すると毛細血管がやられ足の切断、失明、人工透析などの治療を行う。
先日61才で亡くなった渡辺徹さんも糖尿病を患い人工透析をしていたらしい。
 進行中も痛みはなく、「気付かない内に何か踏んで足から出血していた」。など、知らぬ間の出血で異常に気付くこともあるらしい。
 知的障害者にこんな症状や治療に堪えることは出来るのだろうか?

予防と検査を

 生活習慣病で気を付けることは言うまでもなく第一に食事だ。グループホームに滞在する時間が長い人は特に気を付けなければいけない。
 そして定期的に検査を受けてHaA1c(ヘモグロビンエーワンシーと呼ばれる)の数値を知ろう。HaA1cは血糖値の3ヶ月平均だ。検査をすれば今の状態とリスクが把握できる。備えあれば憂いなし。

糖尿病の治療方法はいろいろ

 治療でさえ立場によって様々だ。
日本=カロリーを控えよう。インスリン注射推奨。
アメリカ=糖を控えよう。インスリン注射推奨。
糖尿病研究者=糖を止める。そうすればインスリン注射は必要ない。
一般的にはこんな感じらしい。
 糖を止めるのはほとんどの人の概念では難易度が高く非現実的。ちょうどいいところを見つけていく努力が必要である。
そのためには支援者が学ぶ必要がある。
SGLT2阻害薬は、糖尿病患者にとって「唯一の有効な薬」として本で紹介されていた。

嘘で救える命もある

 こんにゃく生まれのマンナンヒカリを混ぜれば、あの光り輝く糖質の王様、白米も糖質を30%以上カットできる。ラーメンも糖質オフ麺がある。みんな大好きマヨネーズだって糖質オフ商品がある。

 偽薬を売ってるプラセボ製薬株式会社をご存知だろうか?

 "偽薬" "プラセボ" と謳ってる時点で"??"が頭を埋め尽くすが実存する会社。
認知症患者や精神疾患の人が服薬後にまた、「薬をくれ!」なんてのは日常茶飯事だ。そこで「〇〇さんもう飲んだよ」などと言うと激昂させてしまうことだってある。
 そこで役立つのがこの偽薬。何の成分も効能もない薬を飲んでいただく。嘘で救える命もあるのだ。

終わりに

 食品メーカーの目的は僕たちの口に糖をぶち込むこと。どこに行っても手を変え品を変え形状を変えた糖をぶち込もうとしてくる。それが食品メーカーの企業利益になるのだから。
 その結果、生活習慣病は社会問題になっているのだから食品メーカーの企業努力は功を奏していると言える。
 そんな社会になっていることを前提に僕たちは食べるものを選ばなければいけない。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!