データ分析ツール=Excel?
はじめに
DX人材に必要なスキルの一つに「データ分析ツールを使いこなせる」というものがあるらしいです。「データ分析ツールとは何を指すか?」については、諸説あるものの、たとえばTableauなどのBIツールを指すことが多いと感じます。
とはいえ、実際に企業内で「見える化ソフト」の設計・開発を行っていると、現場ユーザは
見える化表示部のイメージとして、暗黙にExcelを想定
しており、実際に「Excelのような操作性」を要求します。本稿では、それは何故なのか? について考察します。
Microsoft Excel(以下、単に「Excel」)とは何か?
まず、そもそもExcelとは何かを確認しておきましょう。
なるほど、表計算ソフトであるか。
「表計算ソフトは数値・計算をするためのソフトで、Excelはそのうちの一つである」というのは、言葉の定義からすると正しいですが、現状の日本企業での使われ方からすると必ずしも正しくありません。
すなわち、Excelは「ワープロソフト、プレゼンテーションソフトと組み合わせて使う表計算ソフト」としてではなく、
ワープロソフト・プレゼンテーションソフトの代替(計算はしない)
として使われることが結構あり、それゆえに「人の目に触れることが多いアプリケーションになってしまって」います。Webブラウザの次によく使うソフトかもしれません。
このように会社のあらゆる書類を作るために必要なソフトですから、会社で使われるPCのほぼすべてにExcelはプリインストールされています。そこで少量のデータを操作するためにはExcelがあれば事足りるわけですから
データを扱えるソフト=Excelとなってしまう
というのは仕方がないでしょう。10000セル程度であれば、快適に操作可能なわけで、それ以上のデータに触れる機会の少ない人が、データ分析ソフトをわざわざ有料で用意するモチベーションが湧かないのもやむを得ないのかもしれません。
そのツールが使われないのは「Excelのよう」ではないから
最初に書いたように、「データ分析ツール」といえば、たとえばTableauなどのBIツールを指すと思います。しかし、日本企業で未だにBIツールが広くいきわたっているかと言われると、まだまだな印象です。
BIツールのPR記事に、「Excelを分析に使う苦労を減らすためにBIツールを導入したら、BIツールでグラフを作る苦労を減らすためにExcelを使い続けるという、冗談のような冗談ではない理不尽を解決」(参考:BIツールがあるのに「Excel」で作業したがる社員はなぜ減らないのか?)という記事が昔からあるほどです。
それほど、Excelは日々の業務に深く根ざしています。
BIツールほどではなくとも、ある種のデータを扱うようなアプリケーションを開発した時に聞かれる声をまとめたものが以下です。
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