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Z世代は「期待」の概念がない?

はじめに

このnoteでは働き方・生産性に関する記事をまとめてきておりますが、最近は働き方という文脈でも「Z世代」というキーワードが使われることが増えてきた気がします。

今回は改めて、それが何を指すか? あるいは、その人たちがどういう傾向になるかなどを整理していこうと思います。

Z世代とは

今更ではありますが、Z世代とは何かについて確認しましょう。

Z世代(ゼットせだい)、ジェネレーションZ(英: the generation Z)とは、アメリカ合衆国をはじめ世界各国において概ね1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代のことである。生まれながらにしてデジタルネイティブである初の世代である。Y世代(ミレニアル世代とも)に続く世代であることから「Z」の名が付いている。
「Z世代」という言葉は日本において、2021年のユーキャン「新語・流行語大賞」のトップ10に選出された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Z世代

Z世代が「若い子たち」ということは知っていても、それが「どれくらい若いのか」を誤解している人もいるのですが、改めて話をしてみると

X世代・Y世代・Z世代がそれぞれいる

ということを知らない場合があります。

▼Z世代 2000年代に生まれ、現在の年齢が20歳前後までの若者たちを指すことが多い。1990年代後半生まれを含む場合もある。主に米国で使う世代分類で、X世代(60~70年代生まれ)やY世代(80~90年代生まれ)に続くことからZ世代と呼ばれる。米人口の約3割とされ、20年代半ばまでに多くが労働市場に出るため、社会に与える影響は大きくなりそうだ。

Z世代とは 2000年代生まれの「デジタルネイティブ」:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO61928430W0A720C2NN1000/
世代分類と傾向
(https://www.nikkei.com/article/DGXKZO61928430W0A720C2NN1000/ より)

特にデジタルネイティブというフレーズはよく使われ、「スマホが当たり前」「SNSが当たり前」という前提から、それまでの世代と価値観だけでなく、表現の仕方からして大きく異なると紹介されることも多いです。たとえば、

電話が嫌いで、文字コミュニケーションを好む

というものが代表的ですが、以下のように「文字コミュニケーションにも古臭さがある」という文脈で書かれた記事も見受けられるようになってきました。

Z世代は「期待」がない?

Z世代が記事になる時ですが、「(X世代やY世代と)Z世代との世代間ギャップ」について、つまり「彼らとは価値観が合わない」ことを、主に

「彼ら(Z世代)とは価値観が合わない」ことを特にX世代向けに書いている

記事が多いと感じています。

私は、高度成長期時代から現代までの世代交代、価値観の変化に多くの日本企業が対応してこなかったからだと考えています。現代の職場には、大まかに見て「3つの世代的価値観」が混在しています。
(中略)
改めて、3つの世代的価値観をまとめると、以下のようになります。
①「ミレニアル世代」中盤以降の若い層から「Z世代」までの若手……日本の低成長だけを経験し、会社に過度な期待をしない
②「就職氷河期世代」から「ミレニアル世代」中盤あたりまでの中間管理職やマネージャー……失われた20年(もしくは30年)を過ごし、価値観が多様
③「バブル世代」の経営層……成長が約束され、答えは経営者が知っていると信じている

会社の風土を劣化させた大きな要因、それが「世代間ギャップ」だ | 声かけ100 |
ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/311300

この記述ではX,Y,Zが③,②,①と逆になっていますが、要するに3世代の世代間ギャップについて書かれています。特に、X世代やY世代に比べ

Z世代は、社会や会社に期待をしていない

という文脈で書かれることが多いです。また、それに絡めてつまり「Z世代は繊細なので、ベテランからの声掛けは特に注意すべき」といった「心理的安全性の確保」の観点で記事が作られることも多いです。

私は、今の働き手、特に若い世代がことさらに心理的安全性を求める背景には、生育環境と職場環境とのギャップがあると感じています。
俗にZ世代(1990年代後半~2010年生まれ)といわれる人たちは、SNSを通じて知識や情報を豊富にもち、自分の意見や考えを発信することに慣れています。主体性が大事だと言われながら育ち、会社からも主体的に働くことを期待されています。
それが、いざ職場に配属されると、思ったほど自由に議論ができず、主体性も発揮できない。そんな落差に困惑しているのです。

40代上司にはわからない…20代社員がとにかく「心理的安全性」を重視するワケ(上林 周平)
| マネー現代 | 講談社 https://gendai.media/articles/-/99908?page=2

勝手に「世代間闘争」にしない

しかし、よく考えてみてほしいのですが、そもそも日本の人口を見ると、

日本はX世代→Y世代→Z世代とだんだん少なくなっていっている

のです。日本全体で見たら、最も人口が少ない世代なのです。職場でも周りに同世代が少ない側なのです。そのうえ、これは世代によらないのですが、多くの人はベテランからの声掛けにプレッシャーを感じやすいのです。同世代と喋るより、ベテランと喋る方が緊張するのは当たり前です。あなたもそうだったのではないでしょうか?

つまり、Z世代は特に「将来に期待を持っておらず、心理的安全性が必要な難しい世代だ」とかいう理解では不十分で、

X・Y・Zが混じったこの社会を正しく運用するために必要なことは何か?

を考えること、理解しようとすることが大事なのではないでしょうか。要するに「Z世代はおかしい」と言っていても埒が明かないわけで、逆に「Z世代しかいないわけでもない」ので、

「いろんな人がいるけど、ではどうするか?」

を考える必要があるのだと思います。

おわりに ~ 「期待」はある。形が変わっただけ。

ちなみに私は、

Z世代やその後に生まれた世代も「期待」は十分に持って生きている

と感じています。X世代やY世代と呼ばれる人たちと価値観が違うから、「期待」しているものが違うだけで、

「期待」という概念がなくなったわけではない

と考えております。我々に必要なのは「期待」という概念のアップデートであり、それこそが働き方・生産性の議論と結びつくはずです。

このnoteではこれからの働き方・生産性について、引き続き考えていきたいと思います。

Z世代は「期待」の概念がない? #一枚絵図

(おわり)




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