データ分析としての難易度と、業務課題解決の難易度は比例しない
はじめに
最近は、業務上の課題を解決するために、業務上で得られたデータを分析することが重要だと言われることが多いです。そのような取り組みを
「業務DX」などと呼んでいる
かもしれません。呼び方はともかく、これらの取り組みでは単にデータだけあってもしょうがないというのもよく言われることだと思います。
今回はある現場の例をもとに、データ分析としての難易度と、業務課題解決の難易度について考えたいと思います。
そもそも「データが『ある』『ない』」とは?
以下の記事をご覧ください。この記事には「データが『ない』」ということに関して丁寧に解説されています。
特に、この文でいうところの「(4)施策に結び付かない」というところがとても重要です。逆に言うと、
もし何らかのデータがあっても、それを活用できてないと何の意味もない
からです。
データ分析の理想と現実
ここで、製造業の現場から出てくるデータ分析の実例を見てみましょう。たとえば、以下のように「普段は正常、突然異常」となるような、とある設備のデータ分析をする場合を考えます。こういうデータは
普段は正常値の範囲でずっと動作しているのに、突然異常値が発生する
という特徴があることは以前別の記事にまとめました。
設備からリアルタイムデータが取れるとします。ここで、想定としては「ある点だけ突然異常になる」というようなグラフを考えているかもしれませんが、実際にはそうならないことも多いです。
そうなってしまう原因はこのグラフだけでは分かりません。原因としては例えば
設備の設定値がおかしい(設定間違い)
設定は正しいが、欠陥のある部品がラインに投入され、異常動作している
設定は正しいが、実際はその値で動作していない(異常値で動作している
…などなど、様々な原因が考えられます。
特に、3なんて「そんなことあるの?」と思われるかもしれませんが、古い設備だったり、巨大な設備だったりではしばしば起こりえます。これに関しては、現場の人だけがそれを知っているということもあります。たとえば、本当は「800」で動かしたい時に、
「900」と設定してすると何故かうまく動くという現場の「ノウハウ」
こういうのはデータそのものからは見えてきません。
必要なのは手法ではなく「課題の解決」だ
現実とはこういうものですが、ではこういうのはデータが『ある』と言えるのか『ない』と言えるのか。しかし、そのような問いに意味はありません。
現実に起きている課題をどう解決するかだけが大事
なことです。
この件では、ある方法で見る点を絞り込みを行い、そこから一つの小さな施策を実施しました。肝心なことは、分析は簡易なものでもいいから
むしろどれだけ早く施策を実行するか
です。
おわりに ~ 大事なのは業務課題の解決
このnoteでは、
とにかく手を動かせ。アウトプットをなるべく多くの人に見せよ。
と書いてきているわけですが、これはまさにデータ分析でも同じであって、分析の結果だけでなく、「どうしたら業務課題か解決するかの施策」をアウトプットする必要があります。
このように、出てきた数値や
分析結果だけでは「で?」と言われてしまう
ことが多いのが実情であり、そこから何かしら次の施策をひねり出すことこそ重要です。当然、無理やりひねり出した施策がうまくいかないことも多いのですが、
それはそれとして、すばやく失敗を受け入れ、次の施策を打ち出す
という姿勢が必要です。それこそがアジャイルな姿勢ということができるのかもしれません。
このnoteでは今後もDXによる課題解決について書いていきます。
(つづく)
ここから先は
¥ 100
課金してくれるととても嬉しいです。シェアしてもらっても嬉しいです。「いいね」も嬉しいですし、フォローも嬉しいです。要するに、どんなことでも嬉しいです。