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当事者意識は「意識」だけでは生まれない


こんばんは。オンラインで働く人を増やしたい石倉です。
つい先日緊急事態宣言でて大変だ!!となっていたのに、あっという間に4月が終わってしまいびっくりしています。

一応、スタートアップの経営者をしてますので、このタイミングで悩むこと、考えることは非常に多いですし、経営者人生の中でもなかなかハードな局面を迎えています。
毎日家で仕事をしていて、保育園も休園なので4歳になる娘もずっと家にいるんですが、娘がすごく前向きで明るく過ごしていることが本当に精神面でも支えになっているなと。(もちろん子供が家にいる中での仕事はなかなか難しいものがあり、一旦午後まで働いて夜に再開するなどしている状況ですが...)


そんな中で最近感じている「当事者意識」について書いていきたいと思います。


スタートアップで働く皆さんの多くはもちろん、そうじゃない方も仕事で「当事者意識を持ちなさい」と言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。言われたことはなくても、当事者意識という言葉を聞いたことある方がほとんどだと思います。
多くの場合、当事者意識を持つことは良いこと、として捉えられていますし、僕自身もそれについては否定はしません。


ただ、この「当事者意識」。
どうやったら持てるのかを考えていくと「意識するだけ」ではダメでむしろ当事者になってほしいと思っている側次第なのだと気づいてしまいました。つまり会社でいえば「当事者意識を持て」と上司は部下にいうわけですが、部下に当事者意識を持ってもらうために、何かアクションをしないといけないのは「上司」です。

言い換えれば、当事者意識は「持つ」ものではなく「持てるように」するものだということです。

なぜ当事者意識を持ってもらいたいと思っている人がアクションしないといけないのか。それは当事者意識を持ってもらうためには以下の2つが必要だからです。

1、必要十分な情報量が与えられていること
2、役割/ミッションが明確であること


1、必要十分な情報量が与えられていること


これは僕も実体験で何度も経験しています。
例えばキャスターでとある事業の立ち上げをやった時です。その時は立ち上げだったのでSlackのほとんどのチャンネルに入ってましたし、その分、事業のさまざまなところで何が起きているのか、どんな会話が行われているのか、お客様は何を言っているのか、全部が見えました。
当たり前ですが、まさにその事業における全てのことを当事者として意識できていたわけです。

だんだんその事業が成長して担当を外れることになり、いろいろなSlackのチャンネルから抜けることになりました。
そうするとあれだけ全てのことに気を張り巡らせやっていたのに、途端にその事業のこと、働いているメンバーのこと、お客様のことが見えなくなりました。
また見えなくなることで何か役に立てることがあったとしても「当事者」になることがとても難しくなりました。
もちろん会社の中の事業ですから数字的な状況などはわかっています。でも現場で起きていることなどを含め、当事者=自分ごととして捉えるには「情報量」が足りなすぎて当事者として考えることが物理的に難しいんだな、と。


逆に、新しく担当した事業でもいろんな情報を見たり聞いて理解していくうちに「それならこうしたらいい」「ここはこうなんじゃないか?」などどんどん自分だったらどうするか?が出てきます。

言われてみたら当たり前で、自分が知らないことは想像もできませんから「当事者意識」が持てるはずがありません。
残念ですが、世界中で起こっている内戦も、国内での経済格差の問題も自分ごとになるには生の情報が必要です。しかも十分な量で。

新型コロナウィルスの感染拡大やそれに伴う政府の対応などについて「当事者意識」を持っている人が多いのも、十分な量の情報がインプットされているからです。これがSNSやテレビで全然情報が入ってこなければ全く当事者意識は持てないのではないでしょうか。
(実際に、新型インフルエンザは今年も日本で発症していますが、どのくらいの方が羅患しているのかなど知って、自分ごととして考えている人はあまりいないのではないでしょうか)


話は戻りますが、
「当事者意識を持て」と部下に求める上司がやることの1歩目は徹底的な情報開示です。これをやらず、でも当事者意識を持て、というのはエスパーになって全部自分が思っていることを察しろと言っているのと同じです。もしくは人を試している態度そのものです。


2、役割/ミッションが明確であること


情報が必要十分な量あった上で、自分は何をすべきか何を求められているかが明確でないと「当事者」にはなれません。

どうやったらいいか自分で考えろ、という言い分もありますが、これは暴論です。自分で考えてもらうには「Goal」や「目的」が必要です。中にはそのGoalや目的を自ら生み出せる人はいますが、そういう人はごく少数ですし、その人が生み出したGoalや目的が会社や部署全体のGoalや目的と整合性が取れているかどうかは別問題です。


売上を2倍にする当事者なのか、生産性を上げる当事者なのか、事業を生み出す当事者なのか、自分が何の当事者なのかを理解できないと自分で判断して動けないものです。


新型コロナウィルスの事象で例えるとわかりやすいのですが、医療従事者ではない一般市民に与えられたミッション、役割はシンプルですよね。
「感染しない、感染させないこと」です。それが明確だからこそ、三密を避け、Stayhomeで、手洗いうがいを徹底しているわけです。まさに当事者として。

人が当事者意識を持って、自分で考え動くためには自分の役割は何か?ミッションは何か?が明確であればあるほどやりやすくなります。
だからこそ部下に当事者意識を持ってほしい上司がやるべき行動の2つ目は「役割、ミッションを決める」ことです。
(個人的に、上司の仕事は、評価よりも目標設定の方が10倍くらい大事だと思ってますし、ここで力量が出ると思ってます。)


おまけ


どんなに十分な情報量があり、役割やミッションが明確でも「当事者意識」を持てない人、当事者になれない人は残念ですが存在します。

それにはいろいろな理由があるのですが、1つだけ絶対に許容してはいけない理由というか、許容してはいけないタイプの人がいると思っています。それは「自分が所属しているコミュニティをよくする責任は全員にある」と認識できない、もしくはしていない人です。

最近ぽい言葉だと「Taker」ですね。
いままでいくつかの組織を運営してきたり、多くの人とチームで働いてきましたが、この認識が持てているかどうかは絶対に外せない採用条件だなと感じています。



今日は以上です。

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