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横浜マラソン2018 奮闘記

1【マラソンの準備は楽しい】
 マラソンはなんといっても前日の準備から楽しい。天候を見てウェアを決める。補給食の量と摂取タイミングを決める。念のために絆創膏も持つ。そうそう塩タブレットも。どうせ汗で落ちるが日焼け止めも持っていこう。イメージを膨らませるほどに荷物の量が増えていく。とうとうこの日の補給食は過去最大の量となった。

2【地元大会の大きな利点】
 地元大会は前泊の必要が無い。そもそも会場まで40分で到着する。走って行ってもたいして時間は変わらないが、さすがにこの日ばかりはやめておく。都市型マラソンの弊害として朝のトイレ問題があるが、既に自宅で解決済み。余裕をもって駅に到着する。それでも急に来るお腹の事情。到着直後にトイレ待ち30分となった。

3【仲間にパワーをもらう】
 朝7時のシューズ円陣に加わる予定になっていた。想定外のトイレを済ませ会場へ急ぐ。遠くから見てもわかるほどにすでに大きな輪が出来上がっていた。顔見知りはほとんどいない。でもここに集まる全員がこれから同じ道を進む仲間たち。大きなパワーをもらい一旦解散。共に戦おう。

4【スタート地点】
 スタートはAブロック。初のA出走におののくが、ブロックの後ろ側に付くとほぼ同じ走力のランナーばかりだった。横浜のブロック分けはよくわからない。他の大会ならCくらいが妥当だろう。Aブロックはすぐ横にトイレがあり、スタート直前のトイレには困らなかった。今日は気温が上がるとのアナウンス。この気温が効いてくるのは後の話。

5【5キロ地点へ】
 大規模大会でのスタートの号砲を初めて生で聞いた。スタートラインまでは約3~4分。しばらくは混雑でペースが上がらない。直後、頭に鳥を付けた知り合いのランナーを見つける。駆け寄り2、3会話を交わす。おかげでかなりリラックスできた。鳥さんランナーに別れを告げペースを上げようとするも、まだまだ混雑は続く。5km地点に仮装応援をしてくれる仲間がいる予定だったが、人が多すぎて見つける事は出来なかった。諦めて先を急ぐことにする。

6【自分のペース】
 キロ5分を自分のペースにしていた。既に日差しはかなりあったが高架下を走ると涼しい。このペースのままいけそうだ。エイドの間隔が狭いので、水分補給は少しにする。まだ涼しかったから。だが思えばすでに汗はびっしょりだった。自分のペースを維持したまま中間地点を過ぎ、高速道路区間へと進む。

7【高速道路区間の楽しみ】
 高速道路区間には一つ楽しみがあった。誘導ボランティアさんが応援フリップを持ってハイタッチをしてくれるという。辛くなってくる30km地点だ。景色の変わらない区間。顔も知らない誘導ボランティアさんを探すという目的で前へ進む。変わらずペースは維持していた。

8【地獄への入り口】
 「あと12kmしか走れませんよ?」気合いの入るフリップを持った誘導ボランティアさんとのハイタッチに成功。辛い箇所で元気をもらう。ここまではとにかく順調にだった。高速区間を終えてすぐ右ハムがピキピキと疼きだす。いつものことだが、違うとすれば今回はかなり早いという事。そういえばやけに暑い気がする。

9【気付くのが遅かった】
 慌てて塩タブレットをかじる。これ攣り始めた後でも効果あるんだっけ?効果がわからぬまま右の痙攣は脹脛にも及ぶ。ペースは維持できない。33kmを過ぎ折り返しの大きなコーンの手前で完全に停止した。長い戦いになる。そう思った。

10【本当の地獄へ】
 右脚を伸ばしてると救護の方が心配そうに見てくる。大丈夫、走れる。10秒ほど止まったのち、また前へと進む。右脚がまっすぐ着地できない。体がねじれる。だましだまし進んでみたももの、どれほどのペースだっただろうか。35kmのエイドを過ぎたところでついに左脚も痙攣。絶望した。

11【自分との戦い】
 体勢を立て直す。道路脇で両脚のストレッチ、20秒ほどで再スタート。さすがに両脚となると前に進んでるのかよくわからないペースになる。ここは幸いにも折り返し区間。反対車線には苦しみながらも頑張っているランナー達が見える。苦しいのは自分だけじゃない。そう言い聞かせ前に進む。反対車線のランナー達の中にサブ4のペーサーが見えた。やばい、思ったよりも近くに迫っている。崩壊寸前の闘志に再び火が灯る。使えるものは全部使って一歩でも前に進まなくては。

12【もう一つの約束】
 右脚を引きずるようにどれくらい走っただろうか。沿道の応援が増えてきた。同時にゴリゴリに固まった右脚の置き方が少しわかってきた。だが依然ペースは上がらない。
 40km地点に再び仮装応援してくれる仲間がいてくれるはず。スタート直後とは違いランナーはまばら。これなら見つかる。この頃には攣っても走って治すことができるようになっていた。相変わらず左右交互に痙攣はやってくるが。

13【応援をパワーに】
 40km地点、マリオに扮した二人組を発見した。気合いのマリオと癒しのマリオだ。こんな名コンビはない。無事ハイタッチ。癒しのマリオからは最高の笑顔を貰い、気合いマリオからは背中越しに「走れー」と喝。本気で気合いが入った。振り返らず右拳を突き上げる。

14【家族というものは】
 地元開催というのもあって、家族も応援に来たいと言っていた。ただ、事はそう簡単じゃない。当日、娘の習い事終わりが11時。そこから会場まで1時間と少し。それは順調に進んでいればゴールしている予定の時間帯だった。応援には行かないかもと。まあそうなる。
 期待しないで、でも少しだけ期待して沿道を見ながら走る。いないかもしれないが変な走りは見られたくないと背筋が伸びる。自然とペースが上がる。脚は麻痺してよくわからなかったがとにかくゴールまでは走れそうだ。賑わう沿道の中、遠くにひときわ小さな体を乗り出している子供を見つけた。息子だ。もう全力で駆け出していた。

15【だからマラソンはおもしろい】
 42km地点、この日一番のラップを刻んでいたかもしれない。息子に声掛けながら、なぜか娘にエイドで貰ったハーバーを渡す。末っ子を抱っこした妻のハイタッチはわずかに届かない。大きな声援だけが耳に残る。いつも子供達優先でゴメン。でも確かに気持ちは届いたよ。本当にありがとう。
 3時間54分、ゴール通過時の電光掲示板の表示だ。完走証がないのでネットタイムはよくわからなかった。ゴールに一礼しペットボトルを受け取ったところで子供たちが追いつく。息子から特大のお手製メダルを受け取った。これで自分もメダルが二つ。誇らしく首から下げた。なんとも苦しんだレースだったけど、そんな事はゴールと共に全て吹き飛ぶ。楽しい思いしか残らないのがマラソンの不思議。

16【小さな奇跡】
 今回のレース、自分の想定よりも遅れる結果となったがサブ4は死守できた。そして、家族の到着は自分が通過するわずか2分前、ギリギリだったと。途中ブレーキが掛かってしまったけど、おかげで家族には走る姿を見せることができた。ちっぽけだけど幸せな奇跡。これだから地元のレースは愛おしい。


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仕事と子育ての合間をみて走る平日夜ランナー。マラソン、トレラン、登山、何か感じたことがあればその都度綴ってみようと思ってます。たまに家族のことなども。

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