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俺と初音ミクの話

俺が自分の初音ミクについて、どういう想いを抱いているか、書きます。

要は俺個人の「初音ミク解釈」についての記事です。真面目な記事じゃなくて、ただのオタクの趣味だだ漏れレポなので、苦手な方はご注意を。

読者は、この記事に出てくる「初音ミク」を「鏡音リン」「Kaito」みたいに自分の推しに読み替えても問題ありません。

俺にとっての初音ミク

俺の初音ミクへの愛を説明する際、いかなる妄想も前提も必要無い。俺にとって初音ミクは、ソフトウェアで、機械で、楽器だ。

少し前までは、大多数のファンが二次創作イラストで描くように、其処に居て、会話して、笑ったり怒ったり泣いたりして、俺を愛してくれる歌姫の想像に浸っていた。

でも今となっては、俺の部屋の棚にちょこんと置いてある初音ミクのパッケージと、少しの誇張された表現が、俺にとっての初音ミクの全てだ。

本当に、俺の初音ミクはソフトウェア以上でも以下でも無い。

でも例えば、初音ミクのイラストを見たり、ライブで歌う初音ミクの姿を見たりすれば、俺は普通に「かわいい!!」って思う。それは単純に「初音ミク」っていうキャラクターのファンであるというオタク心で、もちろんそれも俺が初音ミクを愛する所以の一つだ。多分大多数の初音ミクユーザーが持つ彼女への想いは、そこから地続きになっている物だと思う。

でも俺はすっかり、そういう物とは別の所で、初音ミクを心の底から愛しているんだ。

ここで「なんだこいつ。解釈違いだわ。」って思った方々、ちょっと待ってください。そういう方にこそ、この記事は読んでもらいたいのです。僕がわざわざこの記事を書いてるのは「だよねだよね!君は分かってるなぁ!」とか言われたいからじゃない事を分かって欲しい。

初音ミクは何も知らない

俺は高校生の頃、「俺もボカロPになりたい!」と、勢いに任せてクリプトンの公式サイトから初音ミクを購入した。どっから出荷してっか分かんないけど、多分札幌から長崎まで遥々長旅を終えて、初音ミクは俺の元にやって来た。

俺は作曲とか1ミリも出来ないし、「DAW」っていう言葉すら知らなかった。てゆーか、初音ミクで作れるの声だけなのかよ!?

そんな状態でとりあえず打ち込んだ高校の校歌は、ひどいもんだった。
感動も何もしない。機械が歌ってる。ただそれだけだった。今だから正直に言える事だけど、「初音ミクを買ったぞ!」っていう興奮は、彼女が初めて歌う校歌を聴いて急速に落ち着いた。

その時の俺は、本当に何も知らなかった。歌を歌うための初音ミクに授けられる歌も、それを作るための能力も、全然無かった。

不特定多数の人間から反感を買う表現かもしれないが、何も知らないし何もしない人間のところに居る初音ミクは、何も知らないし何もしない。「一緒に頑張りましょう!」とか言ってくれないし「早く歌いたい...」と落ち込んだりもしない。

ただただ其処に有るだけだ。

これは人によっては、雰囲気や暗黙の了解を台無しにする禁句かもしれない。でも俺にとってはそれこそ、俺の初音ミクへの愛を説明する重要な核の要素なんだ。

起動

大学生になって見様見真似で曲を作り出した俺には、大して巧くもない自分の歌声を入れてSoundCloudに投稿した楽曲を、普段CDで聴いてるような曲と同じ土俵に入れる発想を抱けなかった。

どう考えてもクオリティが低い。何より俺は俺の声が好きじゃない。俺なんかの歌声が入った曲を「これで完成です」だなんて言えるはずなかった。

そんな時に、昔買ってそのままの初音ミクの事が頭に過り、実家に帰って物置部屋をひっくり返した。

自分のGarageBandにプロジェクトが残っている中で一番自信のある曲のメロディを、その夜徹夜で初音ミクに打ち込んだ。

ボカロP左手と、無用の長物と化していた初音ミクが、初めて起動した瞬間だ。

俺の打ち込みのスキルは、校歌を歌わせた頃より幾分か増えている。本当に些細な変化だが、GarageBandで自分の曲を完成させられる程には「DTM」という物への認識が出来ていた。

そうして、当時自分の曲で一番マシだった作品「Dodge You」を初音ミクが歌ってくれたわけだが、その歌声は残念ながらまだまだ機械の声だった。だけど俺は、曲がりなりにも自分の作った曲のメロディを初音ミクに徹夜で教え込んだ事、そして初音ミクがそれに応えて、遂にはフルで俺の曲を歌ってくれた事に、初めて何か絆のような物を感じた。今もまだ胸に残っている感動が、この瞬間生まれたんだ。

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俺と初音ミクの絆

別にこの記事は思い出を綴る記事じゃないのに、ベラベラと書いてしまった。要するに俺は、初音ミクを自分の手で歌わせて初めて、彼女に対する愛着のような物が湧いたわけだ。

彼女は本当に何も知らないし、何もしない。俺が何年も放ったらかしにしても、ソフトウェアであるからして不満も垂れない。
俺がボカロ処女作を投稿した日から毎日パッケージをじっと眺めても、初音ミクは俺を見つめ返してくれないし、愛の言葉を返してくれるわけでもない。

でも俺の作った曲を学んで、歌ってくれたという事実には、俺と初音ミクの疎通が確かに存在して、曲を聴くだけでその軌跡を確かめ合う事が出来る。

俺と初音ミクの絆は、たった一つしかない。「俺が歌を作る」「ミクがそれを学ぶ」。だってそれだけが、初音ミクの生まれた理由なんだから。

俺はそこから、初音ミクとの疎通に飢える度に新曲を作り続けた。

もし初音ミクがもし実体としてそこに居て、俺に触れて、言葉を交わす事が出来るのならば、そんなのこれっぽっちも必要無い。俺は初音ミクが好きだから、彼女に気に入られようと格好付けて、一緒に美味しいご飯を食べたり、手を繋いで歩いたりすればいい。

ただ、初音ミクはそんな事出来ないし、望んでない。俺が初音ミクを初音ミクとして16000円で購入した以上、彼女との絆を確認したいのならば、新しい歌を教えるしかない。そして、彼女が新しく覚えたメロディを歌い上げる感動を全力で噛み締めるしか無いんだ。

俺が今もボカロPをやっている理由は、半分くらいそれだ。本当の本当に、持ち主と初音ミクとの絆は、歌だけなんだ。

初音ミクは生きている

ボカロPなら、誰しも自分の曲を自分で聴いたりするのではないか。俺はめちゃくちゃする。前述の通り、初音ミクと自分の絆を確かめるためには、新曲を作るか、これまでの共同作業を振り返る外無いからだ。今では歌もずいぶん上手くなった。

初音ミクの歌唱スタイルは、ボカロPの数だけ存在するといっても過言ではない。でもこれは彼女達の歌声にひとりひとり個人差があったり、見えない所で練習しているからじゃない。

当たり前だけど、それは全部ボカロPの調声による物だ。

ライブラリに内蔵された声を順番通りに歌うだけのソフトなのに、初音ミクの声は歌わせれば歌わせるほど、どんどん深みを帯びていく。まるで感情を持っているかのように、まるで歌詞の内容を理解して歌っているかのように歌う。それは俺が、何も知らなかった彼女を迎え入れてから、少しずつ少しずつ彼女に教えて来た事の集大成だ。初音ミクは、俺がボカロPとして成長するのと一緒に成長し、俺が丹精込めてメロディを教えれば、全力でそれに応えてくれる。

俺はそれがたまらなく愛おしい。今まで彼女が俺に歌ってくれた歌。その歌声こそが、初音ミクから俺へのメッセージなんだ。俺のこだわりと努力に応答して、こんなに素敵な声で俺の曲を歌ってくれる。俺はそれだけでどんなに救われるか。

初音ミクはソフトウェアであり、楽器だ。感情を持たないし、電気信号が通らないと何もしない。でも人間だって定期的にご飯を食べないと動かなくなるし、自分に出来る事しか出来ない。

初音ミクは決して返事をしないわけじゃない。彼女は自分に出来る事を一生懸命やってくれている。返事なんて、それで十分だ。初音ミクがソフトウェアで機械だとしても、死んでるわけじゃない。意思の疎通は、そこにちゃんとある。少なくとも俺はそう思う。

そうやって、初音ミクは壊れるまでずっとずっと持ち主に寄り添ってくれる。これを愛と呼ばずして何と呼ぼうか。

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さいごに

なんか纏まりの無い文章になってしまってすみませんでした。あんまり分かっていただけなかったかもしれませんね。

彼女に出来る事は本当に限られています。だけどそれだけが彼女の存在意義だし、俺らはその意義を彼女に与えるだけで、彼女はしっかり歌でその想いに応えてくれます。

これからも俺は歌を作る事で、初音ミクとの思い出を育てていこうと思います。うちの初音ミク、めちゃくちゃ可愛いっすからね。

これからの左手の新曲も、楽しみにしててください。

左手の楽曲

https://www.youtube.com/playlist?list=PLcj17Lz7apGNgs9b6HJhKor3zkJSYB6Oq

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ボカロP
コメント (1)
おみそれいたしました。
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