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今日見た映画(2020/04/20)

・『ファイナル・イヤー:政権最後の一年』 監督:グレッグ・バーカー(2017年)

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タイトル通りオバマ政権の最後の一年に密着したドキュメンタリー作品。脅威から世界を守るヒーロー映画は数あれど、リアルの世界で最も重い責任を背負うチームの姿はなかなか見ることができない。リーダーはもちろん第44代合衆国大統領バラク・オバマ。周りを固めるのは国務長官ジョン・ケリー。国連大使サマンサ・パワー。副補佐官ベン・ローズ。大統領補佐官スーザン・ライス。それぞれが一体どんな役割を担っていたのか。アメリカは国益を最優先にしつつも世界の人道問題とどのように向き合っていくのか。それぞれの思惑が飛び交う中、大統領が決断を下していく様子が描かれている。もちろんこの映画はオバマ政権に好意的な視点でそのレガシーをたどっていくわけだから批判的な眼差しも忘れてはならない。彼がノーベル平和賞を受賞した核兵器はどうなった?イラクやアフガニスタン、シリアの戦争はどうなった?様々なクエスチョンマークが頭に浮かぶ。しかし我々一般市民が知らないところで政権内部でも激しいせめぎあいが存在していたことが見て取れる。この映画のクライマックス。それはトランプ政権の誕生である。ホワイトハウスで働く人々が誰一人として予想もしていなかった展開。一夜にして世界は変わった。そしてチームは解散する。彼らは歴史に名前を残せたのだろうか。それとも敗者として記憶されるのだろうか。任期最後の外遊地としてギリシャを選んだオバマが語った言葉が印象深い。

現代は情報があふれていて毎日のように株価や支持率や最新のツイートを見ている。それによって心が乱れ不安と恐れに苛まれることがある。遺跡に行くと現在は歴史という長い鎖の1つに過ぎないことに気づく。鎖の1つである今に我々は全力を尽くすんだ。

オバマと彼のチームは任期の最後の時に至るまで自分たちの出来る最善を尽くしたのだろう。そのバトンを受け取る若者が世界各地にどれだけ表れるかは未知数だ。ちなみにこの映画を知ったのは2018年にセルジオ・デメロのドキュメンタリーを見たのがきっかけだった。実は監督が同じなのである。当時、いろいろ手を尽くして英語で視聴した。それがまさかNetflixで日本語字幕付きとは驚いた。きっと合衆国大統領として批判されるべきこともあるだろう。しかし人格者としての彼の魅力がこれほど優秀なチームメイトを集めたことは疑いようがない。翻って現政権は…おっと誰か来たようだ。


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