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今日見た映画(2020/04/04)

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・『リアリティのダンス』 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー (2013)

 公開時に話題だったのでずっと気になっていた。今回始めてホドロフスキー作品を見る。前半で美しい少年が徹底的に男らしさを強要されて、この子これから一体どんな酷い目に合うんだろう?とヒヤヒヤしていたら予想が完全に裏切られた。子供の頃に見ていたら確実にトラウマ映画。こんな作品を撮れる監督の想像力の豊かさに驚かされる。私にはちょっと難解だったので解説を読みたい。

・『VHSテープを巻き戻せ!』 監督:ジョシュ・ジョンソン(2013)

 世界中にコレクターが存在することは知っていたけど、ディープすぎて凄い。VHSが以下に偉大なメディアかをコンパクトに学べる。再生中に縞模様が出るところは何回も再生された場面。大抵は「おっぱい」か「爆発シーン」というこれからの人生で絶対に役に立たない豆知識を得た。関係ないけどインタビューに出演した押井守監督がいっこく堂なみに口を開かず喋っていた。

・『顔たち、ところどころ』 監督:アニエス・ヴァルダ、JR(2017)

 絶対に劇場で見たかったのに逃したやつ。まず写真でここまで人の笑顔を作り出せることに感動。そしてアニエスがとにかく可愛い。ベンチに座って脚をぶらぶらさせている姿は30代のエネルギッシュな頃を彷彿とさせる。足の痛みを訴えたり目の治療シーンが出てくるけれど、彼女の内面はずっと若いままだったんだと思う。この企画を考えてクラファン成功させたJRも本当に凄い。いい人たちしか出てこない映画で、最後に出てこなかったJLG(※ネタバレ)が人でなし。アニエスまじで泣いてたじゃん。R.I.P Agnès Varda(1928-2019)

・『聖者たちの食卓』 監督:フィリップ・ウィチュス,ヴァレリー・ベルトー(2012)

 シーク教の総本山「黄金寺院」で提供される無料の食事を、食べる側と作る側の視点から記録した作品。世界中の配信者が料理動画を制作している中、これはまさにお手本のような映像でした。編集とほんの少しのタブラのリズムだけでここまでダイナミックな景色を作れる。人口密度マックスな寺院を衛生的に保つためにものすごい労力が払われていた。これシリーズ化して世界中の聖地を回って欲しい。

・『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』 監督: ジョン・メイブリィ(1998)

 ダニエル・クレイグがフランシス・ベーコンの愛人役を演じた作品。まさかここで見られるとは。ラブラブ期を経てまるでベーコンから使い捨てのように扱われるダニエル・クレイグ。「将来君は女王陛下に仕えるスパイになるんだよ!あきらめないで!」と励ましたくなるほどの落ちぶれっぷり。ベーコン行きつけのバーのシーンがクラシックカメラで撮った質感になっているのが印象的だった。

・『創造と神秘のサグラダ・ファミリア』 監督:ステファン・ハウプト(2012)

 最速でサグラダ・ファミリアの歴史を学ぶのに最適。フランコ政権下でガウディが残した資料が失われてしまう。彼の意思を引き継いだ人々は当然建設を続けようとするのだが、思わぬところで障害にぶち当たる。このへんの歴史は知らなかったのでとても勉強になった。いつ出来るかわからない、お金が足りない、だけでなく宗教的な意味でも論争の的になっていることは意外だった。カトリック信仰のグラデーションを知る上でも良作。ネスカフェのCMで有名になった日本人の職人さんも主要メンバーとして登場。流暢なスペイン語で抽象的な概念を伝える姿は尊敬しかない。

・『ブラインド・マッサージ』 監督:ロウ・イエ(2014)

 はい、今日見た映画の中で一番良かった。っていうか2020年に見た映画の中で暫定一位。視覚障害者のマッサージ院で織りなす人間ドラマ。とにかく生々しい。人生における成功、挫折、喪失。そして性描写。こんな映画を中国で撮ることが出来るなんて。全く中国のことを知らない観客からすると、日常が本当にこんなに感情的なのか?という疑問もあるかもしれない。でも少なからず中国経験がある私としてはリアルを感じた。もっと早く見ておくべきだったと後悔している。にわかに中国映画ブームが起きているようなのでコロナ終息したら劇場で見たい。ちなみにロウ・イエは中国語で「簡体字:娄烨 繁体字:婁燁」

※上記の作品は全て『アップリンク作品 60本見放題』で視聴することができます。


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