ぼくのこころには
ずいぶん長い間
閉まったままの窓がある
その窓には
おかしなカギが掛かっていて
開けかたがよくわからない
自分で閉めたのか
最初から閉まっていたのか
それさえもよくわからない
鍵穴はついているが
そのカギが見当たらない
あっちの引き出し
こっちの戸棚
ひっくり返し掻き回し
探したけれど見つからない
気がつくと
こころは傷だらけ
風を入れて
光を入れて
外の空気と同じ温度になったら
もっと楽しくなれるのに
とにかく
カギが見当たらない
探し疲れた日差しの中で
ぐったりと横になってまどろんでいると
頭の上から声が降ってきた
「かあさん 変なのが転がってるよ」
「あぁ そりゃ 『カギ』っていう
やっかいな生き物よ」
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