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初恋ばれんたいんS~松平葉子その1~

美少女ゲームってのは昔『ギャルゲー』って呼ばれてたよね。
で、その火付け役となったのが『ときめきメモリアル』。
ときメモがジャンルを切り開いたわけです。

そして、数々のメーカーがそれを追っていった。

RPGだってドラクエから始まったじゃん?
どこのメーカーもこぞってドラクエのシステムを踏襲して、
RPGの一大ムーブメントになった。
(それはRPGじゃなくJRPGだったんだけど、この話はまた今度ね)

ギャルゲーも同じ。
でも『To Heart』あたりがテキストゲームの形を確立するまでは、
ときメモタイプの恋愛SLGが主流だったわけ。

主人公を育てつつ、女の子とデートで仲良くなっていく、みたいな。
(デートって時点で交際してるじゃん、とか言ってはいけない)

エターナルメロディ(名作)とか、
トゥルーラブストーリー(これはやったことないけど)とか。

センチメンタルグラフィティなんてのもあったね。
死霊の盆踊りで一世を風靡した、アレ。

そんな中、登場したのが『初恋ばれんたいん』。
翌年には完全版として『初恋ばれんたいんスペシャル』も発売された。

久しぶりにこれで遊んでんの。

この『初恋』も基本はときメモを踏襲してる。
でも単なる真似に留まらず、さまざまな試みがなされてるのだ。

とりあえず、次の写真を見て欲しい。

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メッセージが縦書きである。
理由も見ての通り、これならヒロインの立ち絵を邪魔しないからだ。

改行も多くて読みやすいうえ、安定のテキスト。
ヒロイン別のシナリオも力が入ってる。

さらに、

 ・奥行きのある背景
 ・『後ろ姿』というパターンの立ち絵

これを合わせることで『一緒に歩いてる』臨場感も演出できてるわけで。
こういう工夫ひとつでゲームへの没入感って変わってくるよね。

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ほんと、↑は猛省して欲しいもんだ。

そんなこんなでゲームスタート!
育成によってパラメータが増減し、それで条件を満たすことで
ヒロインが登場するのは、ときメモと同じ。

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今回はこちらの『松平葉子』ちゃんをターゲットにします。

ちなみに『初恋』のヒロインは全員、苗字が戦国武将なんだとか。
幼馴染みが織田だったり、妹の友達が真田だったりする。

うーん、世界史は得意なんだけどなあ…。
日本史のほうはてんで門外漢なもんで、実はよく知らなかったりする。

せいぜい漫画で『花の慶次』読んだくらいだよ?
だから前田利家のイメージもあんな感じ。

図書室でツンな葉子ちゃんと出会えたので、まずは新聞部へ。
新聞部では彼女の情報(電話番号)を買えるのだ。
これって大問題だよなあ…。
でも早乙女好雄よりは自然な気もする。

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ぜひ主人公の情報も売って欲しいものだ…。
あ、現在の評価は千円で確認できます。

葉子ちゃんとお近づきになるには、
同じ生徒会に入って、知的な硬派を心がけること。

この辺の数値がやたらシビアなんだよなあ、当時の恋愛SLGって。
どんなに仲良くなっててもMAX近くまで育成できてないと、
卒業式でお断りされる『ポケットラブ』とかさ。

『初恋』もその例に漏れず、ステータス値の参照がヤヴァい。
150・150・100・110なんて要求してくる真田春菜とか、
本当にクリアできんのかって鬼難易度だ。

だけど完全版の『初恋ばれんたいんスペシャル』では、
そのあたりが緩和されてるらしい。
しかし…どうせ改善するなら、システムを見直して欲しかったな。

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『初恋』の評価を大きく下げてしまったのが、この育成パート。
文化⇔体育、容姿⇔根性で相反する関係でね。
文化を上げたら体育が下がり、根性を上げたら容姿が下がる…そこまではいい。

問題はマイナスが大きすぎるってこと。
とにかく下がりまくるのよ、これが。
例えば、文化+2にはもれなく体育-1がついてくる。

疲労も溜まっていくから(育成コマンドの成功率が下がる)、
休息も必要だ。
ところが、この休息でもパラメータが下がってくんだから、たまらない。
そのせいで、

 1週目・文化+2と体育-1を5回
 2週目・体育+2と文化-1を5回
 3週目・休息する(全-1を5回

こんなふうにスケジュールを組んでると、

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伸びない、伸びない!

土曜や休日の分で多少プラスになるだけだ。
葉子ちゃん攻略のため『文化&根性』を伸ばしてたんだけど、
容姿と体育は最低値さえ維持できず、ご覧の有様に。

疲労の回復にしても、
休日に『妹と遊ぶ』か、月~金曜を休息に当てるしかない。
しかし前者は回数制限があるうえに効果が小さく、
後者はパラメータが軒並み下がるのだ。

いや下がりすぎだって、これ…。

定期試験なんてもれなく疲労+15のうえ、
土曜日は試験の結果発表で飛ぶのよ?

さらに問題はもうひとつ。
この育成パートでは一日ごとにローディングが発生するのだ!
なので気長にプレイしましょう。

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そもそも『ときメモ』は学校生活シミュレーションとして企画された。
それだとクリアの基準がないってことで、あとから恋愛要素が追加されたわけ。
だから『ときメモ』の育成パートは
単体でも遊べるほどに作り込まれていたのだ。
(それが大ヒットの一因でもある)

恋愛SLGは育成パートありきっていう当時の固定観念が、
『初恋』の場合は足を引っ張ってしまった感じ。

それにしても…この育成パートだけ、出来が悪いんだよなあ。
これは開発が育成システム担当ってことで、他所からテキトーに
人材を引っ張ってきたんじゃないだろーか。

「○○さんは育成ゲームやったことあるから、できるんじゃない?」って。
で、コンセプトから乖離したもんを乗っけちゃったってゆーか。
いやテキトーに言っただけだよ。

ひとまず最初からやりなおす。


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ここで作戦を考えた。
容姿と体育を捨てて、先に文化と根性を上げきってやるのだ。
葉子ちゃんはさほど容姿&体育を重視しないから、
あとで最低値だけ確保すればいい。

この作戦で1年目の秋の末までガンガン育成していく。
(ゲームの期間はおよそ2年)
マイナスを気にしなくてもよくなったから、精神的にも楽になった。

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容姿が0でも葉子ちゃんのイベントは発生してくれたし。
さすが完全版。

溜まった疲労は平日の休息と、休日の『妹と遊ぶ』を併用する(2千円掛かる)。
気を遣わない妹と遊ぶことで疲労-10なのだ。
主人公、お前…普段どんだけ女の子に気を遣ってんだよ。

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ちなみにこの妹の音々ちゃんが、
うちの蓮ちゃんのモデルだったりもします。
名前の変更は可能、攻略も可能ですのでご安心ください。
初めてクリアしたのは音々ちゃんだったなあ。

果たして松平葉子ちゃんは振り向いてくれるのか?
次回に続く。