夏休み2022 - 01


夏休みをもらって北ヨーロッパで一人で過ごしてきたことをとくとくと記載していきます。

とにかく忙しく駆け回った、よく働いたここ2年ほど、休みらしい休みなく、本当によく働いた。
借金をこさえている人間というのは、通常の人間の5倍くらい働かないと残高など残高にならないということも知った。

昨年の暮れ、マネージャーに「来年の夏とかまとまった休みもらえたりするんすかね」と不躾に聞いてみるとマネージャーは「絶対とろう!とらな!行け!」と、まだ行かんでもいいのにもう行けと鬼の早さで背中を押してくれ、かなりいろんなスケジュールを調整してくれ半年ほど前からガチガチに夏休みを抑えてくれた。
どうしても、な仕事があればバラシで大丈夫だと伝えていたが、マネージャー陣による(こいつに休み与えとかんと下半期に暴れられかねん)という憶測もあったのか、無事に夏休みを頂戴できることとあいなった。


どこで過ごそうかなということはあまり迷わず、3年前に訪れたフィンランドのヘルシンキという街がとてつもなく美しかったのですぐさまその辺に大決定。
初めてメタモルフォーゼの工藤静香を見た時くらいその美しさに衝撃を受け、かつ、その際はあまりゆっくり滞在することができなかったのでいつか一度行きたいとずっと考えていた街だった。
ヘルシンキ以外にも行ったことない都市や世界遺産を見て回りたいなとなんとなく考え、考えていただけで何も決めず、気がつけば夏休みの2週間前となっていた。


2週間くらい前になり慌ててクレジットカードの申し込みをし始めるも、秒速で全て落ち続ける日々だった。
学生の自分でも作れました!なんていう触れ込みのクレジットカードももれなく全て落ち、無職の自分でも作れました!という触れ込みのクレジットカードも冗談みたいにすぐ落ちた。冗談でしょう?と言った。
どうやら私の過去の華麗なる借金歴が功を奏しているらしかった。

人生のターニングポイントみたいなところに必ず居合わせてくる人というのが、なんとなくいる。
シソンヌの長谷川忍という仏頂面でなにかと喚き散らしている先輩もその一人だ。
その日も長谷川さんは仏頂面でなにかを喚き散らしていたが、私がクレジットカード作れないと言うと、仏頂面で何かを喚き散らしながら、知り合いのクレジットカード人を紹介してくれると喚いてくれた。

長谷川さんの知り合いのクレジットカード人は、おまえには過去の借金歴は綺麗にあるのに、社会的な信用はまるでないのだということをとても美しい言葉遣いで丁寧に説明してくれた。
とても美しい言葉遣いだったこともあり、なにかボランティアの話をしているのかと思った。

しかし長谷川さんの知り合いのクレジットカード人がいろんなことを精査してくれ、なんとかクレジットカードを手に入れることができた。
長谷川さんにはお礼として、もう二度と何も喚き散らさない心になるような写経セット的な何かを送らせて頂きたい。

そうして航空券だけなんとか購入した状態で、あろうことか出発当日を迎えた。
本当になんの準備もしていなかった。
なんなら前日もすごく普通に飲んでいた。

私はとにかくキャリーケースがあまり好きではなく、ゴールデンレトリバーくらい大きいキャリーケースは許せるのだが、そもそも私は荷物を預け入れることがとても好きじゃない。
預け入れしたあと、空港で自分のキャリーケースが出てくるまでを待つしかないあの時間が想像するだけでも唾液が出てくるくらい苦手なのである。
ゆえにこれまでの海外旅行で預け入れをしたことはほとんどなく、ボストンバッグひとつで乗り込み、帰路で荷物が増えれば現地でもうひとつどうでもいいようなボストンバッグを購入して必ず機内持ち込みにしていた。

しかし今回、友人からの「32歳での両肩ボストンバッグは、ヨーロッパで肩が終了してしまう可能性がある」という肩視点からの懸念を説かれ、キャリーケース購入を視野に入れていたのだった。

というわけで当日の朝になりようやくビッグカメラに行きキャリーケースを購入。
しかし最後まで荷物預け入れの憎悪から機内持ち込み可能サイズに落ち着く。

それから、この夏休みの映像もたくさん撮りたいと思いたちカメラコーナーへ。
カメラコーナーで最も偉そうな人に説明してもらおうと思い、偉そうな人を探し、偉そうな人を見つけたので、偉そうに説明してもらい、めっちゃ偉そうやったなと思いながらカメラ購入。

この時点で時刻は15時。
出発は21時30分。
成田空港まで友人が見送りに来てくれるとのことで17時に待ち合わせしていたため慌てて帰宅し、風呂を浴びパッキング。
荷物を本当に持っていきたくないので、洋服は一着だけ、靴は現地で捨てられるものを、他のものは欲しくなれば現地で調達すりゃええや精神でまとめているとマジでキャリーケースの出番が全くなかった。

しかし今回の私がいつもと一味違うのは日焼け止めである。
日焼け止めの容器のやつをいつもちゃんと調べずに持っていき、いつも空港で没収され、お願いしても返してもらえず、海外では現地のスーパーで固い日焼け止めを買う羽目になっていたので、今回はこれ用にアリーの小さいやつ(ビーチスキンのもの)を買っていた。
私もアリーも優秀。この時点でこの旅は勝利。


17時に友人と待ち合わせし、成田空港へ向かう。
18時半頃に到着し、換金したりなんだりしてご飯を食べたらあっという間に20時半くらいになった。
友人と別れ(優しい友よ、ありがとう)搭乗ゲートに向かい、保安検査場もアリーのおかげでスムーズにクリアし、たばこ吸ってたらあっというまに搭乗時刻で飛行機へ。

海外の航空会社でチケットを取ったので機内で日本語字幕で観れるものがなく、ひたすら寝る。機内食のカツ丼がひっくり返るくらい美味しくなくて、22歳頃の私が作ったのかと思った。

あっという間にフィンランドはヘルシンキバンター国際空港に到着、朝5時くらい。

意外と寒くなかった。

ヘルシンキ空港におる鮭とり動物の木彫り
フィンランド到着感すごい
ゲート出てすぐ喫煙所ある、ありがたやありがたや

空港着いてすぐ喫煙所に入る。

ヘルシンキ空港の喫煙所はとてもデザイン性が高くて、初めて訪れた時にひっくり返ったものだった。
というかヘルシンキ空港はトイレとか各ゲートとか含めて全部空間デザインがイケていて、
そりゃこんな施設で暮らしてたら美的感覚えぐなるわいやと思った記憶がある。

喫煙所でタバコ吸ってたら隣のチェアに座ってた人が競馬を鬼の形相で見ていた。ヘルシンキの喫煙所が一気に岡野さんおる時のフジテレビの喫煙所みたいになった。


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