最悪な本を読んだ

一言ではもちろん表せないが強いて言うなら陳腐ではあるが最悪と答えたい。

人生に1度はオカルトなどに異常な興味を持つことがあると思う。
私もその1人でまだ小学生だったころにそのようなサイト(2chがほとんど)を読み漁った。その中の1つに後味が最悪な本を教えてというスレがたっており10年近くたってなおその題名を覚えていた。
そのサイトの口コミでも恐怖におののき今日までてをださなかったが、ふらりと立ち寄った古本屋で満を持して出会ってしまった。

とはいえ、少しの恐怖心が芽生え3ヶ月程本棚の奥の方に隠しておいた。

前置きが長くなってしまったが、その本についての感想文である。

『隣の家の少女』(原題 The girl next door)

ジャック•ケッチャム/著
金子浩/訳

荒すぎるが主人公デイビッドの隣に引っ越してきたメグとスーザン姉妹の話でこの姉妹に対する態度というか仕打ちがひどい。
最悪。(2回目)

話について書くと確実にネタバレしてしまうきがするので感想のみで進めていきたい。

最悪、最悪といってはいるが結論からいうと気に入ってしまった。目を背けたくなるが読みたいと感じてしまう。読み終わってみるとシャイニングのようなホラーだった。(小説なので日本のホラー映画のように驚かせることはできないが。)

サイコスリラーなのかジャンルについてはよくわからないけど精神的にくる。

舞台が50年代の田舎の町でアナログな場所(あとがきで知った。)なので、のどかで和やかな雰囲気から話が始まっていくタイトルからも邪悪な雰囲気など微塵も感じられない。

だからこそ余計に響く。あぁ見てしまった、聞いてしまった、これからどうしよう。と言うような感情が読みながら芽生えてくる。助けたほうが良いのかな、相談したほうがいいのかななどとまるで自分がその小説の登場人物の1人として存在しているかのように。

しかしこれは小説で作者の思うままに話が展開していく、私達読者の願いとは裏腹に事態がどんどん悪化したり思わぬところで微かな光が差し込んだりする。(あくまでも微かな)

さて、だらだらと書くつもりではあったけれどネタバレしないとなるとすぐに限界が来てしまう。

スティーブン・キング氏と訳者のあとがきをみるとたくさんの似たような(?)作品が出てきた。

この作者についてはスティーブン・キング氏に匹敵するような小説にもかかわらずイマイチ日の目を見ない作家らしい。(モダンホラー等についてもあとがきで言及されているのでそちらも参考に)

最近園子温監督の映画を観賞したがその時の感情がこの小説にもあった。目をそらしたい、本を閉じたいそうする事は自由だがどこかで続きが気になる自分もいる。そんな感じ。

興味があるなら読んで欲しい。ストーリーはともかくとしてプロローグから私は掴まれてしまったし、エピローグも完璧だった。

もう一度読もうかしらと思いつつ古本屋に売った読者の気持ちもわかる小説です。では。

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