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コロナ共存のにぎわい模索 大型イベント続々復活 適度な混雑で秋満喫

 石巻地方の23日は各地で大小さまざまな催しがあり、新型コロナの感染状況が落ち着いていることもあって、人の動きが見られた。同じ日にイベントが重なったことで、客は分散傾向。午後の強い雨がにぎわいに水を差したものの、適度な混雑で催しの雰囲気を楽しむ人の姿があった。【熊谷利勝】

焼きサンマに行列 おながわ秋の収獲祭

 女川町では23日、コロナ禍を経て3年ぶりの本格開催となる「おながわ秋の収獲祭」が町海岸広場で開かれた。目玉は秋の味覚の代表格であるサンマの炭火焼きで、会場一体は香ばしい煙で包まれる中、大勢の客が長い行列を作った。実行委によると約1万人の来場があった。

名物のサンマが炭火焼きで振る舞われた

 サンマの炭火焼き6千食、すり身汁4千食を用意。どちらも100円以上の運営協力金で味わえた。サンマの不漁により、当初は炭火焼きでの提供が危ぶまれたが、まとまった量が確保できた。東松島市立矢本東小4年の高橋愛莉さん(10)は母や祖母ら4人で来場し、「サンマが好き。炭火なので、家で焼いて食べるのよりもおいしい」と喜んだ。

 ステージでは太鼓、神楽、獅子舞といった地元の芸能が披露されたほか、アニメソングで知られる高橋洋子さんなど有名人のライブも。午後にはザーザー降りとなったものの、アイドルグループのライブでは、濡れるのも気にせず歌に熱狂するファンがいた。

 平成10年におながわ秋刀魚収獲祭として始まったまつり。サンマの漁獲量減少に伴って新たな方向性を模索し、おととしに「秋の収獲祭」に改めた。

多彩なステージ展開 サン・ファンまつり

 第29回サン・ファン祭り―新時代の航路―は23日、石巻市渡波のサン・ファン・バウティスタパークで行われ、約3千人の客(主催者発表)が地元の団体が出演する伝統芸能や演奏のステージを人が楽しんだ。リニューアルを控えた県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)はこの日だけ無料で見学でき、約1100人が支倉常長ら使節団の歴史的偉業に触れた。

オープニングを飾った雄勝町伊達の黒船太鼓

 石巻商工会議所や石巻青年会議所などで構成する実行委員会主催。新型コロナでおととしは中止、昨年はオンライン開催し、パークで3年ぶりの本格開催となった。

 ステージイベントは、雄勝町伊達の黒船太鼓保存会の演奏で幕開け。石巻好文館高校チアリーディング部の演技や石巻ジュニアジャズオーケストラによる演奏が続いた。このほか宝探しの冒険のように、会場内を回って射的やクイズに挑戦してパズルのかけらを集めるラリーイベントや、周辺の海上をボートで周遊するイベントがあった。キッチンカーを含めた飲食・物販の出店も並び、晴れた午前は屋外で食事を楽しんだり、遊具に親しんだりする親子の姿があった。

 夫と4歳、9歳の子と来場した市内の女性(40)は「子どもを遊ばせようと来た。景色が良くていいところ。サン・ファン館がリュニューアルするころにまた来たい」と休日を満喫していた。





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