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切れ目ない地域のつながりへ 石巻・山下包括支援センター 密避け体育館でカフェ

 誰もが気軽に立ち寄り、さまざまな趣味を楽しむ「いろいろカフェin山下」が毎月第3木曜日、陸前山下駅近くの山下屋内運動場で開かれている。広い会場は密になりにくく、「お茶っこ飲み」もはばかられるコロナ禍でも気兼ねなく交流が図れるとして住民から好評だ。喫茶のほか、月替わりワークショップや健康麻雀、映画鑑賞、健康・介護保険相談など内容は多彩。主催する石巻市山下地域包括支援センターの戸田かおり管理者は「全世代が集える場にし、切れ目ない地域のつながりを育みたい」と望んだ。

 同センターはこれまで、みやぎ生協蛇田店2階で認知症カフェを開いてきたが、感染拡大防止で、より広い会場を求める中、同運動場に着目。「せっかく広い会場なら認知症カフェだけでなく、いろんなことをやってみよう」と、今年6月、「いろいろカフェin山下」が生まれた。

ハンドマッサージを体験する女性たち

 「認知症と冠すると対象者が限られる。楽しく日々を過ごすには地域の広いつながりが大事。だからこそ誰もが集える場にしたかった」と戸田管理者。イベントの副題は「カムカムエブリバディ~だれでもいいがら、出でございん~」と名付けた。

 内容の充実はもちろん、午前10時から午後3時まで長時間催しているのも特長。感染対策で氏名や住所の記入は必要だが、基本的に出入り自由、入場料も不要だ。運営はセンター職員を中心に市社会福祉協議会、地域の民生委員、薬剤師、理学療法士、福祉用具販売事業所などが協力している。

 15日に開いたカフェでは、ハーバリウムやアロマストーン作りなどを行い、喫茶スペースではペットボトル入りの飲料を配布。ハンドマッサージ体験をした同市清水町の小野恵子さん(82)は「コロナで気軽にお茶飲みもできない世の中。皆で集まれる場は貴重であり、うれしい。マッサージも気持ちいい」と笑顔を見せた。

誰とでも楽しめる健康麻雀も人気

 こうした集いは、どこも男性参加率が極端に低い傾向だが、健康麻雀では対局を楽しむ高齢男性の姿が目立った。卓を囲んだ参加者は「こういう集いなら男も来やすい。知らない人とも交流できるし、本当に楽しい」と口々に語っていた。

 センター職員で社会福祉士の奥田俊さんは「月に1回でも外に出て、人とふれあう機会があれば、それは結果的に認知症予防につながる。広い体育館と関係機関の協力で出来た事業。近所の友人の家にふらっと遊びに行くような感覚で来てほしいし、そのような場にしていきたい」と話していた。

 次回は10月20日午前10時から。また今月29日午前10時―11時半には清水町の湯殿山神社で出張カフェを開催し、作業療法士が「介護予防のお話と体操」と題して講話する。いずれも参加無料。【山口紘史】





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