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行楽地軒並み人出増加 黄金週間 行動範囲拡大 萬画館3日間で1万人

 先月29日から今月7日まで最大で9連休となった今年の黄金週間は、最終盤こそ天気が崩れたものの、青空が広がった3-5日、石巻地方の行楽地や集客施設は軒並み前年を上回る人出となった。駐車場は他県ナンバーが目立ち、新型コロナ対策の緩和で人々の行動範囲が広がったようだ。【取材班】

 石巻市中心部の石ノ森萬画館周辺では3-5日、ヒーローショーなど春のマンガッタン祭りがあり、約1万人が来場。「コロナ前のにぎわいが戻ってきている」という。いしのまき元気いちば前の堤防空間に人の往来や離島行きの船を待つ人の姿が見られ、昼時間を中心にかわまち立体駐車場も満車となった。

 三陸道河北インターに近い道の駅上品の郷は3-5日、直売所や温泉施設のレジ通過者が前年の約1.3倍。コロナ禍前と同様の客足という。日中は駐車場の満車が続き、夕方以降は車中泊の車が一日200台弱。「キャンピングカーの展示場のようだった」という。

震災を経験していない世代が増え、伝承施設に多くが足を運んだ(大川小)

 キャンプなどの野外活動はコロナ禍で人気が上昇。昨年7月にプレオープンした「雄勝FORESTキャンプ場」でも4日、多くのテントが並んだ。近くの道の駅で海産物が手に入るのも魅力で、名取市と仙台市から2家族10人でキャンプを楽しんだ可野賢一さん(40)は「ネットで紹介されていて、環境の良さに興味を持った。まだ穴場的な場所」と休暇を満喫した。

 震災遺構門脇小学校は3-5日に2134人が来館。開館初年度の昨年は1822人で、約1.17倍となった。昨年2448人だった震災遺構大川小学校も約1.27倍の3107人が足を運んだ。

 大川小に家族3人で訪れていた群馬県の佐野利佳さん(46)は「東日本大震災の年に生まれた息子に震災のことを伝えたくて」と命を考える旅を計画。かつて市内で震災のボランティアをしていた田崎聡子さん(42)も「娘を連れて訪れたかった場所」と話し、娘の陽名さん(16)は「想像よりも校舎が低くて驚いた。裏山で語り部の方の話も聞いたが、それぞれの経験や思いに胸を打たれた」と学びにした。

嵯峨渓遊覧8割増

 奥松島の嵯峨渓を巡る遊覧船は、悪天候の2日間を除いて3隻がフル稼働。運行する東松島観光物産公社によると、コロナ禍の令和2-4年黄金週間と比較して、8割増の利用があった。野蒜地区の防潮堤沿いは、釣りなどのマリンレジャーを楽しむ人の車がびっしり。同公社は「県外ナンバーが多く、外国人旅行者も見られた」と、夏のシーズンにさらなる期待を膨らませた。

海の幸を求める客で繁盛した道の駅おながわ

 女川駅前の商業エリア(道の駅おながわ)は、海の幸を求める客で繁盛。近くの海岸広場にもキッチンカーが並び、3日にはみこしが周辺を練り歩いた。仙台市太白区から家族と訪れた白戸克昌さん(62)は「おしかホエールタウンの見学帰りに立ち寄ったが、すごいにぎわい。復興を強く感じた」と話した。





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