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灯台前で勇壮な〝輪太鼓〟 雄勝中学校 住民に迫力演奏届ける

 石巻市立雄勝中学校の全校生徒12人は16日、同市雄勝町大須の大須埼灯台で「輪太鼓」の演奏を行った。大須地区の住民ら約30人が集まり、迫力の和太鼓演奏に聞き入った。

 同校では震災後、流失した和太鼓の代わりに生徒たちが古タイヤにビニールを貼った楽器に「復興輪太鼓」として演奏を行っており、被災前と同じように和太鼓をそろえた現在も「輪太鼓」の名称を使っている。

 週に一度は雄勝を中心に活動する「伊達の黒船太鼓保存会」(神山正行会長)から指導を受け、練習を重ねている。今年はコロナ禍の影響で、学校行事などで地域の人たちに披露する機会がなくなってしまったため、同校が大須灯台会(小松英雄会長)に相談し、今回の演奏が実現した。

大須埼灯台で輪太鼓演奏

生徒たちが力強い太鼓の音色を届けた

 大須埼灯台前に和太鼓を設置し、黒の衣装で統一した生徒たちが力強いばちさばきで太鼓をたたいた。1曲役10分の演奏が終わると住民からは多くの拍手とともに「迫力があった」「とてもいい演奏だった」などの声が届けられた。その後、生徒たちは大須漁港でも演奏した。

 3年生の大槻幸聖さんは「緊張しながらもしっかりと演奏ができた。今までで一番だったと思う」、同じく阿部佑成さんも「地域の人に楽しんでもらえてうれしい。ほかの浜にも演奏を届けていきたい」と達成感を味わっていた。

 長年、指導を行ってきた神山会長も「演奏は毎年、脈々と生徒たちに受け継がれている。これからも太鼓の音色で地域に元気を届けていってほしい」と期待を込めていた。【渡邊裕紀】


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