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「デジタルメディア」 ⑤提言 親子でメリハリ意識

 さまざまな情報を目にすることができ、時に楽しむことのできる情報化社会。小中学校では、児童生徒に1台ずつタブレット端末が貸与され、授業や家庭学習で活用されている。子どもたちも強い興味を持っており、授業意欲も高い。使い方のルール次第で、デジタル端末は教育分野においても有益な性能を発揮できる。

 学校では、教師の指示で児童生徒の使用をコントロールできるが、家庭の中ではその実態は不透明。長時間や就寝前の使用、夜間のSNS交流など、これらはすべて家庭で行われているもの。

 いくら学校や児童生徒発信で家庭での使用ルールを提唱していても、児童生徒個々の強い意識を保つため、保護者が家庭での見守り役を果たしていなければ、一向に効果は上がらない。

 見守り役の保護者が目の前でスマホなどを操作していても本末転倒な話だ。大人は仕事に伴い、自宅でSNSを使用したり、インターネットで情報を集めたりする必要がある場合も少なくない。だが、子ども目線では、事情はさておき「大人はずっと使っている」という違和感を覚えている場合もあるようだ。

 大人も睡眠前の使用は眠りの質を低下させ、記憶の定着を阻害する。家庭において定めるべきは、就寝1時間前の使用終了だろう。大人は使用が必要になった際は、最低限子どもの視界から外れて使うべき。ただし「子どもが就寝して初めて自分の時間が得られる」という保護者もいる。わずかな余暇を楽しみたい気持ちもわかるので、その際は最低就寝30分前には操作をやめるよう心掛けてほしい。

 小中学生は体だけでなく、脳も成長期にある。勉強や読書でたくさんの知識を蓄え、家族や同級生らとの会話でコミュニケーションを学び、自然体験で心を豊かにすることができる。この将来のポテンシャルにも関わる大切な時期に、スマホやゲームの使用を間違え、本来身に付けられたであろう記憶やコミュニケーションが未定着となるのは誰も望まない結果だ。

 夏休み期間は、最も生活習慣が乱れやすい時期。児童生徒、保護者がメリハリを意識し、より有効なデジタルメディアとの関係を築いてほしい。なにより、人との交流は、時間のある夏休みだからこそ、SNSに頼らず対面で行ってほしい。朝ごはんも忘れずにね。





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