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萬画館20周年・トーク企画 「マンガで活性化 寝耳に水」 5人が当時の思い語る

 石ノ森萬画館が開館するまでの道のりを振り返るトーク企画「石巻に石ノ森萬画館ができたワケ」が23日、石巻市かわまち交流センターで開かれた。当時を知る市民や施設設計者ら関係者5人が膝を交え、マンガを生かしたまちづくりの原点をひもといた。

 同日に開館20周年を迎えた萬画館の記念行事の一環。当時、市職員として街づくりに関わった星雅俊市議、市民団体を立ち上げ地域を盛り上げ割烹八幡家の阿部紀代子社長、萬画館を設計した黒木正郎さん、漫画家の木村直巳さん、そして(株)街づくりまんぼうの木村仁社長の5人が登壇した。

マンガを生かした街づくりトークイベント (21)

当時を知る5人が萬画館完成までの歴史をひもといた

 木村社長が「あって当たり前になった萬画館の歴史をひも解いて先人たちの努力で完成したことを今一度考え直す機会になれば」と口火を切った。星市議は「マンガを生かしたまちづくりは、当時の市長の一言で急きょ決まった。寝耳に水のような状況。実は石ノ森氏にも話が通っていないまま進んでいた」と明かした。

 阿部社長も「私たち市民も『マンガで活性化』が突然出てきて驚いた。しかし、これはまたとない絶好の機会と考え、市民有志で団体を立ち上げて活動を始めた」と話した。

note用マンガを生かした街づくりトークイベント (11)

マンガを活かしたまちづくりとして紹介された約20年前のテレビ番組で当時の取り組みを振り返った

 漫画家の親ぼく団体であるマンガジャパンの協力もあり、マンガを使った街づくりはうねりとなって萬画館の建設を進めた。宇宙船をイメージした同館のデザインで、黒木さんは「パソコンで図面を作ることができるようになったことで、あのデザインができた。アナログで設計するのはほぼ不可能だった」とデジタルへの転換期だったことを語った。

 木村さんも「完成した萬画館を見て、信じれば夢はかなうものだと実感できた。この施設が拠点となり、世界中の漫画家が集う場になってくれれば」と思いを込めた。【渡邊裕紀】


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