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重傷事故受け 釜大街道線に信号機再要望

地元町内会「不安現実」

 石巻市中屋敷一丁目の市道「釜大街道線」で発生した女児の重傷交通事故を受け、地元の上釜町内会(阿部貞男会長)は27日、信号機設置などの安全確保を市に求めた。7月6日に行った同様の要望でも子どもが横断する際に事故が起きる可能性を指摘し、市側は看板や路面標示で車に注意を促す対策を進めたが、住民の不安が現実になった。応対した齋藤正美市長は「今後また発生することが危惧される。警察と効果的な対策を協議したい」と述べた。

 事故は今月21日夕に発生。信号機のない十字路交差点の横断歩道を渡っていた小学校低学年の女子児童が西から来た軽トラックにはねられ、一時、意識不明となった。命に別状はないとされるが、頭やあごの骨を折る大けがを負った。

重傷事故があった釜大街道線の交差点

 この交差点は通学路になっており、同町内会は市から石巻署へ再度、信号機設置を求めるよう要望。事故現場の制限速度は時速40㌔だが、その西側は60㌔で速度超過が起きやすいとし、変更の働きかけも求めた。

 町内会の役員や地元の市議と市長室を訪れた阿部会長は「住民を預かっている身であり、事故は心が痛い。犠牲にならないと信号機は付かないのかという思いだ」と訴えた。齋藤市長は石巻署に信号機設置を再度要望したことを明かし、「思いは同じ」と回答。引き続き効果的な対策を協議するほか、市民への重大事故発生の周知など市ができる再発防止を講じていくことにした。

要望書を手渡す阿部会長(右から3番目)

 事故のあった道路は東日本大震災後の新しい街づくり合わせて新設され、今年3月末に全線開通。住民は利便性を実感する一方、制限速度を守らない車や、横断者がいる横断歩道で一時停止しない車が散見されるのが地域課題という。

 石巻署によると、重傷事故があった交差点では、供用開始から10件の人身・物損事故が発生。信号機のない横断歩道は東側2カ所にもあり、いずれも対策が求められている。ただ、県全体で信号機設置の要望は多く、予算の都合もあって実現箇所は限られている現状がある。

 町内会は同日、石巻署にも要望書を提出した。【熊谷利勝】


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