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小中学校で入学式 厳戒態勢の中 春の一歩 多くが在校生出席中止

 県内での新型コロナウイルスの感染拡大で不安が広がる中、石巻地方の小中学校では8日から新学期が始まり、8―9日には各校で新入生を迎える入学式が開かれた。いずれも感染対策が講じられた厳戒態勢の中で行われ、多くで来賓と在校生の出席を中止。時間も短縮されたが、新入生と保護者は新たな学校生活への期待に胸を膨らませていた。

 石巻地方の全小中学校は8日、臨時休校と春休みを合わせ40日ぶりに学校を再開。入学式は中学校で8日、小学校は8、9日に実施した。児童生徒数の少ない学校を除いては在校生の出席を取りやめ、来賓も不参加。新入生と保護者はともにマスク姿で臨んだ。

向陽小44人元気に

 このうち石巻市立向陽小学校(久保田健一校長)には9日、新1年生44人が入学した。例年とは異なり、新入生を迎え入れる6年生と来賓の出席はなく、座席の間隔は広くとられた。

 そうした中でも新入生はマスク姿で堂々と入場し、呼名には元気よく「はい!」と返事。久保田校長は「入学おめでとう。これから仲良く、お話をよく聞き、運動や遊びを頑張ってください」と呼び掛けた。その後の校歌斉唱では出席できなかった6年生が前日に録音した歌声を流すなどの工夫もあった。

石巻地方の小中学校で入学式 向陽小 (3)

マスク姿の新小学1年生が保護者に見守られて入学(向陽小)

 1年2組の菅原結葵ちゃん(6)は「小学校に入れてうれしい。お勉強を頑張ってお友達もたくさん作りたい」とにっこり。母親の友里さん(29)も「始まるまでは不安もあったが、学校でも対策を徹底してくれて安心した」としつつ、今後の先行きを案じて「学校に慣れるのに大切な時期。休校にならずに続いてくれれば」と話していた。【近江瞬】

矢本一中171人

 東松島市立矢本第一中学校(安倍良博校長)でも8日、始業式を終えた午後に入学式を開いた。本年度は171人が入学。感染症対策として、同校でも体育館での式典には在校生を不参加とし、来賓の人数も縮小するなどして対応した。

矢本一中入学式

代表生徒が中学校生活への誓いを語った(矢本一中)

 式では、保護者や教職員からの温かい拍手に迎えられながら、新入生がクラスごとに入場。一人一人の名前が呼名されると、ハキハキとした声が体育館に響いた。安倍校長は「午前中は2―3年生が新年度をスタートさせ、新入生のために教室や廊下の清掃や飾り付けをしてくれた。この場にはいないが、みんな心待ちにしていた。これから勉強や部活に取り組み、矢本一中生として大きく成長してほしい」と呼び掛けた。

 来賓の渥美巖市長も「夢と希望にあふれた新入学生。夢を語り合い、目標に向かって励んでほしい」と語った。

 新入生代表では土井蓮さんは「教科ごとに先生が変わるなど、小学校とは違った学校生活となるが、挑戦する気持ちを忘れず、心も身体も成長していきたい」と語っていた。

 在校生代表の言葉は書面で配り、校歌斉唱も省略。新入生は要所要所にマスクを着用し、保護者も消毒を徹底した。【横井康彦】

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