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4年ぶりに山車巡行 河南鹿嶋ばやしまつり 広渕小児童が春の音色

 石巻市広渕地区の春の伝統行事「河南鹿嶋ばやし山車(だし)まつり」(同実行委員会主催)が16日、広渕農業担い手センターを起点に行われた。山車が地域を練り歩くのは4年ぶり。軽やかな囃子(はやし)が鳴り響き、春の訪れを告げていた。

 例年、中心となる本山車は年明けから作り込むが、今年はコロナの収束状況がまだ見えなかったため、制作は中止。ミニ山車と花馬車の2台は作り、NHK大河ドラマに当てはめ、ミニ山車は、戦に向かう徳川家康と寄り添う瀬名姫、花馬車には縁起物として太公望を乗せた。

4年ぶりに山車を引いて地域を巡った

 同センターの出陣式では、広渕小学校の6年生33人が山車の前で豊年などに期待を込めた縁起囃子を披露。その後、6年生を乗せた山車を下学年の児童が引き、要所で休憩を取りながら半日かけて地区内を巡行した。住民たちは囃子の音が聞こえると玄関先に姿を見せ、子どもたちをほほ笑ましく見送った。

出陣式では2台の山車の前で6年生が演奏

 同実行委員会の西村弘会長(68)は「何より地域とPTAの協力が大きい。コロナ禍で休止していた山車巡行は4年ぶりとなり、手順を含めて中身を知らなかった人も多い。まさに初めて実施する感覚だったが、再開はこの上ない喜び」と話していた。

 鹿嶋ばやしは、飢餓と疫病がまん延した江戸時代、五穀豊穣と無病息災、家内安全などの祈願として始まったという。後継者育成のため、昭和48年に保存会が発足。その後、広渕小が学校行事の一環で取り組み、保存会の指導を受けながら代々継承している。【外処健一】





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