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「顔見知りに会えてうれしい」 女川町で敬老会 100歳超は女性5人

 きょう19日は「敬老の日」。新型コロナウイルスの影響で敬老会の中止を決めた地域も少なくないが、石巻地方の自治体では唯一、女川町が17日に町生涯学習センターで開いた。約150人が集い、獅子舞や民謡・舞踊などのアトラクションを楽しみながら、共に長寿を祝い、健やかな日常を願った。

 町内の対象は本年度77歳以上の人で、男性461人、女性753人の計1214人(9月1日現在)。今年は町総合体育館からセンターに会場を移し、感染対策で式典時間は昨年と同じくコロナ前の半分となる約1時間とした。

 町人口は6019人(9月1日現在)で、高齢化率(65歳以上の割合)は39・8%と県内市町村では6番目に高い。しかし式辞で須田善明町長は「高齢化率が問題ではない。大事なのは先輩方が元気に過ごせているかどうか」と強調。「皆の元気な姿が我々の一番の励み。交流が育みにくい世の中だが、引き続き住み良いまちにしていく」と述べた。

 77歳以上で年齢に応じて贈られる敬老祝い金は代表して佐竹忠さん(77)=清水=が受け取った。アトラクションでは民謡・舞踊のほか、女川港大漁獅子舞まむしが勇壮な太鼓の音に合わせた獅子振りを披露した。小さな獅子頭で参加者の頭をかんで回った遠藤瑠偉君(女川小1年)は「疫病退散・元気でいてね♡」と書いた幕も掲げた。

獅子舞で会場に活気を呼び込んだ

 出席した岩井かつ子さん(87)=大原北=は「戦争やチリ地震津波などこれまで多くの苦難があったが、特に東日本大震災は1日も忘れたことはない。敬老会は初めて参加したが、多くの顔見知りに久しぶりに会えてうれしい」と目を細めた。

 浦宿浜から訪れた男性(79)は「コロナで踊りや歌を聞く機会が減っていた。きょうは久しぶりに楽しい気持ちになり、生きがいを感じた」と話した。

 町内の100歳以上はいずれも女性で5人おり、最高齢は101歳の阿部ふみこさん=上一=、三浦ちや子さん=浦宿二=、丹野きよ子さん=同=の3人。95歳以上は40人で、このうち男性は4人。

 なお石巻市はコロナ禍の状況を鑑み、3年連続で敬老会を中止し、東松島市は各自治会に開催可否を委ねている。【山口紘史】





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