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「デジタルメディア」 ④展望 便利さ生かす活用へ

 デジタルメディアコントロールの定着に向け、〝でめこん〟という東松島市全体の枠組みだけでなく、学校独自での取り組みも進んでいる。矢本第二中学校では、デジタルメディアに関する実態調査を本格的に始めた。5月の調査で全校生徒343人のうち、81%が個人のスマートフォンを所有。学年が上がるほど所有率が上昇し、平日の使用時間は2時間未満が68・7%を占めた。

 同校は平均使用時間が2時間未満となることを目指している。でめこんは、中学生の使用目安を1時間程度としているが、実態調査で3割近くが2時間以上使っており、現実的な時間設定が必要と判断。段階的に使用時間を短縮し、最終的に市全体の目標時間にたどり着きたい考えだ。

 現状学校独自のルールは平日2時間以内で、午後9時半以降はSNSなどで他者と関わる使い方をしないよう決めている。就寝30分前や食事中は使わない、個人情報を載せない、誹謗(ひぼう)中傷しないなどのルールも追加。家庭学習の定着へ「スマホの使用時間の半分は勉強する」の浸透も図っているところだ。

 毎月第3水曜は「SND(スーパーノーメディアデー)48」という強化日を設けている。通常2時間の使用制限を、この日は48分まで短縮。昼の校内放送でも生徒会執行部を中心に有効な時間の使い方などを紹介するコーナーも設け、意識的に使用を控えるよう周知中。=写真=中学校区の強化週間も設けている。

 同校は「長時間使用している生徒の時間を減らせるよう、保護者を含めた周知にも力を入れたい」と語る。スマホなどは親の使用率も高く、家庭の協力なくして実現に結び付けるのは難しい。生徒会は保護者向けに協力を求める文書も配布している。

 木村あかり生徒会長は「デジタルメディア自体は決して悪いものではない。大切なのは使い方。良いものとして使い続けられるためにも、しっかりルールを定着させたい」と意気込む。課題として「実践するかしないかは結局個人の意識。まず自分が頑張ろうと取り組むことが大事だと思う。吹奏楽部なので楽譜の譜読みなどに時間を活用したり、お風呂清掃やお米とぎなど家事のお手伝いにもつなげたい」と語っていた。





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