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夢の舞台消え高3落胆 夏の甲子園、地方大会も中止 県高野連は独自大会検討


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本高校野球連盟などは20日、今夏の全国高校野球選手権大会と代表校を決める地方大会の中止を決めた。戦後初であり、春に続き〝夏の甲子園〟の夢の舞台が消え、石巻地方の球児からも落胆の声が聞かれた。宮城県高野連は地方独自の大会も検討しており、6月5日の理事会で対応を協議していく。【山口紘史】

 日本高野連などが入る運営委は、専門家の助言をもとに密集など3密を避ける対策も踏まえ、無観客開催や組み合わせ抽選会、開会式の取りやめなどあらゆる手法を検討してきた。しかし代表校の長時間移動や宿泊を考えると、感染リスクは避けられないと判断した。

 各都道府県の代表校を決める地方大会も中止となった。感染対応だけでなく、臨時休校や部活動停止措置が長期に及ぶ中、練習が十分にできていない選手のけがの危険性も考慮。授業確保へ夏休みを短縮する地域もあり、地方大会が学業の支障になりかねないことなどが判断理由となった。

 一方、各地方高野連が主催する独自の代替大会は開催可能としており、県高野連も3年生最後の舞台として前向きに検討。6月5日の理事会で対応を決め、11日に最終的な開催可否を決定する見通し。

 全国、地方大会の中止決定で石巻地方の球児にも動揺が広がっている。石巻高校野球部で主軸を担う武田康汰さん(18)は「春もなく、最後の夏にかけていたが、大会中止が正式に決まり、とても残念。新型コロナウイルスの猛威は全国に広がる中、中止はやむを得ないことだが、それでも私たち3年生はやり切れない思い」と喪失感を口にした。

 石巻好文館高校野球部の外処瑞樹主将(17)は「悔しい気持ちでいっぱいで、どのような形で引退を迎えるべきか分からない」と心境を吐露。後輩には「来年は必ず大会はあると思うが、当たり前に春、夏が来ると思わず、常にプレーできる環境に感謝しながら野球をしてほしい」と語った。


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