滝山公園で昆虫観察
夜に探検 発見いっぱい 大人も子どもも熱中
東松島市の滝山公園で7月27日夜、園内を探検し、昆虫を観察するイベントが開かれた。市内小学生と保護者17組39人が参加し赤井出身で東京農業大学の松林尚志教授(52)が案内した。子どもだけでなく、大人も童心に帰ってカブトムシやクワガタムシを探すのに熱中。セミが羽化する様子も見られ、夜の公園での出会いや発見に胸を躍らせた。
イベントは一般社団法人東松島みらいとし機構(引間世枝美代表理事)主催。「東松島いきもの調査隊」と題し、小学生を対象に公園での観察などを催し、身近な自然の面白さを伝えている。
参加者は午後7時半に公園の駐車場に集合。「基本的に捕まえた虫は観察したら返す」というルールを胸にとどめ、懐中電灯を片手に真っ暗な公園へ飛び込んだ。
東京農大・松林教授が案内
松林教授らは、園内3カ所で虫を寄せるトラップを事前に仕込んでいた。発酵させたバナナやブラックライトを使い、甘く香ばしい匂いや光で昆虫たちをおびき寄せた。
参加者たちは松林教授に導かれ、小高い丘を登ったり、木々をかき分け険しい山道を進んだり、小雨に降られながらトラップを目指した。道中、セミの抜け殻を拾ってブローチにするなど悪天候も冒険気分で楽しんだ。
特に昆虫が集まったのはブラックライトのトラップ。カブトムシやクワガタムシ、ガが集まった。その場で観察し、いくつかの虫をプラスチックのカップで捕獲。28日にはそれらをスケッチするワークショップもあった。
道中でも昆虫との出会いがあり、険しい山道を行くと赤色が美しいベニスズメガを確認できた。オスのカブトムシを見つけた佐藤瑛人さん(矢本西小3年)は「家でも飼ってるけど公園で見つけられてすごいうれしい」と興奮気味。「生きもの大好き」と話す妹のあかりさん(同1年)は「いろんな虫を見られて楽しかった」と笑顔だった。
園内のいくつかの木々にはセミの幼虫が止まり、成虫へと羽化する様子も観察できた。背中が割れ、中から透き通る羽と真っ白い体がお目見え。ゆっくりと羽化するそのさまは神秘的で美しく、「初めて見た」「体が虹色できれい」などと参加者たちを魅了した。
松林教授は「私も小さいころは昆虫少年で、子どもたちの気持ちがよく分かる。身近な自然で遊びながら好奇心を育んでほしい」と語った。【泉野帆薫】
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