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公民館再開に表情緩む 開催見通せない団体も 会員 自粛生活語らう

 新型コロナウイルスの影響で臨時休館していた多くの公共施設で利用の再開が始まっている。石巻市では趣味を通じた住民の交流拠点を担う公民館が先月28日に全11館一斉で再開。6月1日には蛇田公民館で利用団体連絡協議会に所属する文化団体による再開後初めての活動があり、会員たちが約3カ月ぶりに顔を合わせ、マスク越しに自粛生活の苦労を分かち合った。
【近江  瞬】

 市は3月4日から公共施設を休館し、緊急事態宣言の解除を経て5月18日の図書館の一部開館を皮切りに順次再開。石巻中央、蛇田など11公民館は28日から開けた。6月1日からはほとんどの施設が使えるようになった。

 特に公民館は高齢世代の交流拠点として大きな役割を持つ施設であり、休館に伴う高齢者の孤立、心身への影響も懸念されていた。再開に向けては各館ごとに収容人数や検温への協力、換気やマスク着用の徹底などを盛り込んだ感染症対策に関する利用ガイドラインも策定した。

 1日に蛇田公民館を使ったのは大正琴、詩吟など3団体。大正琴愛好会「さくら」(菅野豊子会長)は、14年ほど前の設立以来最も長い活動休止を経ての再開という。指導者と会員5人がマスク姿で参加し、長テーブル1台に1人と互いに距離を取った。合奏の感覚を取り戻しつつ「みんなの音を聴いて安心する」「緊張感があって張り合いがある」と笑顔を見せた。

 会員の多くが休館中に「感染の心配と活動できないストレス」を感じたという。菅野会長(74)は「世間話ができるだけでもうれしい。本当にようやく会えた」とほっとした表情を見せた。

 一方、利用協の中には接触を伴う社交ダンス、ひまつ感染が危惧される歌謡など活動が見通せない団体もある。利用協の鹿又圭子会長(81)は「なかなか活動ができない団体もある。つながりが途切れないように複数の趣味を持つことも必要かも」と話していた。

 また、同館の大森和彦館長(59)は「今年1月に新たな公民館が完成し、間もなくの休館に落胆はあったと思う。感染対策で制限もあるが、形は変わっても仲間と楽しい時間を過ごす空間にするために力を合わせていきたい」と語った。


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