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異例の短い夏休みへ 「まずは宿題」「出かける用事ない」

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う春先の臨時休校で、石巻地方の小中高校では本年度、夏休みが大幅に短縮された。石巻市と東松島市の小中学校はあす7日にようやく1学期の終業式を迎える。とは言え、夏休み期間も例年の3分の1のわずか12日間。コロナ禍で出かけることもはばかられる中、過ごし方の選択肢は広がりに欠く。【近江瞬】

 女川小4年の阿部紅葉さんは「感染の危険が少ないところなら遊びに行きたい気持ちはあるけれど、今のところ家族で旅行などの予定はない」と話す。同校は2学期からの小中一貫校供用開始に伴い1日から夏休みに入ったが、例年より楽しみは少ない。「まずは宿題をしっかりやってから遊ぶ」と、とりあえずはやるべきことに目を向けた。

 「夏を制する者は受験を制する」と言われるように、高校受験を控える中学3年生にとっては夏休みの過ごし方は重要だ。

 渡波中3年の内海颯友さんは「所属していたバドミントン部も代替大会であっさりと終わってしまった。とにかくこの夏休みに気持ちを切り替えて勉強を頑張る」と断言。万石浦中3年の高橋凌空さんも「受験生なので勉強」としつつ、夏休みの短さには「塾の方が集中できるので個人的には長い方が良かった」と打ち明ける。

 高校は各校で夏休みの期間が異なり、このうち石巻市立桜坂高は4―20日までと例年の半分程度に短縮された。吹奏楽部に所属する2年生の渡邊葵香さんは「たぶん毎日部活に行って終わると思う。コロナがなければ仙台などに出かけることもあるだろうけれど、今年は近くで買い物程度。正直、部活以外何をして過ごしていいか分からない」と話していた。

 夏休みの過ごし方は保護者にとっても悩みの種。矢本東小に子ども2人を通わせる千葉楓子さんは「実家の富谷市に子どもたちを連れて帰省していいかも迷う。基本的に人の集まらない場所を選んで、少しでも夏の思い出になることをしてあげたい」と3密回避を探る。

 また、石巻小の川田知宏校長は「1学期の間、子どもたちは混乱した状況下でしっかりと頑張ってくれた。夏休みは出かけることも難しいと思うので、家族団らんの時間にしてほしい」と望んでいた。

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