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帰郷しても思いは石巻に

地域協力隊・清水さん  集大成の「お笑いライブ」

 石巻市地域おこし協力隊で、お笑い芸人の清水一宏さん(43)が主催する「石巻お笑いライブ」の特別編が25日、マルホンまきあーとテラスであった。毎月開くライブは今回で30回となり、芸人人生22年の集大成となるイベント。同市観光大使の萌江さんや齋藤正美市長も出演した。10月末で協力隊の任期(3年)を終え、実家のある神奈川県横浜市に戻るが、清水さんは「石巻にはまだまだ感謝の気持ちを返し切れていない」と語り、今後も笑いを通して関わる決意を込めた。

 清水さんは、令和2年の「第1回石巻お笑いマスター決定戦」で準優勝し、翌年、市の地域おこし協力隊に委嘱された。笑いを通した地域活性化を標ぼうし、お笑いライブで交流人口を増やしてきた。主にかわまち交流センター=同市中央=で開いてきたが、30回目の節目に初めてまきあーとを選んだ。

 ライブは清水さんの前説、ゲスト出演の流れ。今回も前説で「石巻で暮らして3年、食べ物がおいしすぎて7㌔太りました」と笑いを取り、「大人がふざける90分。真面目に見ないでくださいね」と約150人の客を集めた。

齋藤市長、萌江さんも出演

 特別ゲストは齋藤正美市長。清水さんが女装する「ふあん★がーる」にかけ、「ちゃんと協力隊の仕事をしているか〝ふあん〟だから来た」と話し、3年間の功績をたたえる感謝状も随所にボケを加え、清水さんの鋭いツッコミで笑いの渦に巻き込んでいた。ほやドルの萌江さんによる楽曲披露や清水さんとのコンビ「ほやもや」のコントもあった。

 普段はゲストを立てて締めるが、今回は清水さんが大トリ。「風が強すぎる」「世界3大漁場の金華山沖」など紙をめくる定番の芸で石巻の良さをネタに盛り込み、地域ならではの笑いを生んだ。

齋藤市長も応援に駆け付け、清水さんのネタに笑い転げた

 最後は10月末で任期満了となる協力隊の仕事に触れ、両親の体調を心配して横浜市に戻ることを報告。「きょうは人生で最高の日。石巻は私にとって第二の故郷であり、まだ恩を返し切れていない。任期後もイベントに参加して石巻を盛り上げたい」と語った。

 ライブを見に来た男性(41)は「清水さんがきっかけで、生のお笑いの面白さを知ることができた。戻るのは残念だが、石巻で会えるのを期待したい」と話していた。

 次回のお笑いライブは9月28、29日。協力隊の任期も残りわずかだが、清水さんは「10月もライブを開き、引継ぎや継続を考えていく」と地域に笑いを根付かせる思いをにじませた。【渡邊裕紀】

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