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本紙記者で若手短歌部部長 歌集「飛び散れ、水たち」刊行 新人賞など365首収録

 石巻日日新聞社報道部記者で、石巻地方の若手短歌愛好者で作る「短歌部カプカプ」部長を務める歌人の近江瞬さん(30)による第一歌集「飛び散れ、水たち」が東京都の出版社左右社から刊行された。歌人の山田航さんの監修のもと、新人賞受賞作や候補作を含めた365首を収録。みずみずしい青春のシーンから、自身と古里石巻の関係を描いたものまで、今ここにしかない瞬間を三十一音で鮮やかに切り取った作品が収められている。【外処健一】

 近江さんは平成元年、石巻市に生まれ、石巻高校を経て、早稲田大学文化構想学部に進学。卒業後は東京都内で2年間働き、Uターンと共に石巻日日新聞社に入社した。

 地元の若手短歌愛好者を集めた「短歌部カプカプ」は平成30年に創部。展示会や企画、ラジオ番組などを通じて現代短歌の魅力を伝えている。個人では日本を代表する短歌結社「塔短歌会」に所属し、第9回塔新人賞を受賞したほか、第31回歌壇賞最終候補にも選ばれている。昨年8月には文藝総合誌「文藝」にも作品を寄せている。

近江瞬第一歌集「飛び散れ、水たち」刊行 (2)

近江さんが刊行した第一歌集「飛び散れ、水たち」

 第一歌集「飛び散れ、水たち」には、この5年間で詠んだ365首を収録。「立入りを禁止されてる屋上にあがれば広がる空も同罪」、「僕たちは世界を盗み合うように互いの眼鏡をかけて笑った」といった青春の一場面を口語で軽やかに切り取ったもののほか、「句読点の付け足されゆく校正の各所で開く赤い雨傘」といった記者ならでは視点の歌まで、独自の感性で切り取られた世界が並んでいる。

 帯には歌人で作家の東直子さんが「きっとずっと、心の味方になってくれるしなやかな歌たち」と言葉を寄せている。大手通販サイト「アマゾン」では予約開始後5日連続で詩歌売れ筋ランキング1位を記録した。

 歌集は全国の一部書店で取り扱うほか、「アマゾン」や左右社のオンラインショップでも購入できる。石巻市内ではヤマト屋書店TSUTAYA中里店、おかべ本屋さん、石巻まちの本棚で取り扱っている。税抜き1800円。
 詳細は左右社のホームページ(sayusha.com)より。




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