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テイラーさん記念碑完成 石巻南浜祈念公園内に設置 「夢を生きる」日米友好の証

 石巻南浜津波復興祈念公園内に日米友好のシンボルとなる碑が建立され、16日に除幕式が行われた。石巻市の外国語指導助手として活動していた12年前、東日本大震災の津波の犠牲となったテイラー・アンダーソンさん(当時24歳)の記念碑だ。「Live Your Dream 夢を生きる」の文字が刻まれており、両親は「この碑によって日米の絆がより深まることを娘も願っていると思う」と語った。

 記念碑は、日米間の学生交流や石巻地方などの学校に英語の本と本箱(テイラー文庫)の寄贈を行っているテイラー・アンダーソン記念基金(TAMF)が、関係機関の協力を得て「がんばろう!石巻」看板がある市民活動拠点内に建立した。

来賓やゆかりの人たちで除幕

 除幕式にはテイラーさんの両親や記念基金の活動に取り組む人たちなど約100人が出席。TAMF共同理事長の藤崎一郎さん(元駐米大使)が「テイラーさんは、日本とアメリカのかけ橋になることを願っていた。その遺志を形にすることで後世に伝えたい」と碑に込めた思いを述べた。

 その後、約20人の手でロープを引くと、読書家だったテイラーさんにふさわしく、本を開いた形の記念碑が姿を現した。大きさは礎石部分を含めて高さ1メートル、幅1.2メートル。笑顔のテイラーさんの写真と「夢を生きる」のメッセージが施されている。

本の形をした記念碑に花を手向ける母ジーンさんと父アンディさん

 12年前、娘の遺志を大切にしたいとTAMFを立ち上げ、活動してきた父のアンディさん、母のジーンさんは「花に囲まれたすてきな所に立ててもらい、感謝している。大切な人を亡くした人たちが思いをはせたり、時間を過ごすような、皆さんの共有の場所になってほしい」と願った。

 TAMFは昨年度、桃生中と大街道小にテイラー文庫を寄贈。今月中にテイラーさんの母校であるランドルフ・メーコン大学(米国バージニア州)も独自に設置する予定で、日米で30カ所となる。【平井美智子】





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