雄大な自然で草をはむ　石巻・上品山牧場　繁殖牛29頭放牧

　石巻市三輪田の市営上品山牧場で21日、牛の放牧が始まった。あいにくの雨となったが、石巻地方の畜産農家が続々とトラックの荷台から牛を降ろした。自然豊かな場所での避暑生活は10月26日まで続く。

　今年は黒毛和牛のメス牛29頭が対象。体重測定や採血、予防注射と消毒を行った後、牧草地に放たれた。

　入牧式で河北総合支所の千葉巧支所長は「上品山の良好な環境で、牛たちにはのびのびと健康に過ごしてほしい」とあいさつ。畜産農家の後藤圭一さん（42）は「夏から秋にかけては農繁期で、放牧は手間の軽減になりありがたい。牛たちも足腰が強くなり、体型も整う」と話していた。

牛たちが元気よく入牧し避暑生活を始めた

　放牧は牛の妊娠、出産に向けた健康づくりを目的に昭和40年代から始まった。約30ヘクタールの放牧地の一部は傾斜地であり、足腰強化やストレス解消、受胎率向上に効果があるという。【渡邊裕紀】