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映画文化をまちなかに 名作「ひまわり」上映 石巻名画座 好調な船出

 名作映画の鑑賞を楽しむ「石巻名画座」が25―26日、シアターキネマティカ=石巻市中央=で初めて開かれた。上映されたのは昭和45年に公開されたイタリアなど4カ国合作映画の「ひまわり」。計5回の上映に約150人が訪れた。

 イベントを仕掛けたのは、同名画座代表の本庄雅之さん(63)。高校まで石巻市で暮らし、東京のスポーツ紙で芸能記者、デスクを務めた。令和3年にUターンし、石巻日日新聞社で記者として活躍。昨年8月に引退後、情報誌「石巻学」の発刊にも関わっている。

 昭和期から中心市街地に複数あった映画館は次々閉館し、現在石巻市内の映画館はイオンシネマ石巻のみ。本庄さんは「まちなかに映画文化の灯を再びともしたい」と、名画や話題作、石巻にゆかりのある作品を中心に取り上げる名画座を立ち上げた。

 上映された「ひまわり」はヨーロッパを代表する女優の一人、ソフィア・ローレンが主演した作品で、戦争の引き起こす悲劇を描いた傑作。劇中に登場する印象的なひまわり畑はウクライナで撮影されており、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、全国で再上映されている。

「映画文化の火をともしつづけたい」と話す本庄さん(左)

 26日の最後の上映後は、キネマティカを運営する阿部拓郎さん(35)と本庄さんとのトークもあった。本庄さんは「ここは、かつて日活パールがあった場所。映画への情熱や魂を受け継いでいきたい」と話し、盛況で終えた初回上映に手ごたえを感じていた。阿部さんも「協力して次の開催にもつなげ
ていく」と語った。

 同市内から訪れた河原橋和志さん(35)は「初めて見る映画だったが、評判通り、ひまわりと音楽が印象に残った」と話していた。

 石巻名画座は6月3―4日に次回を予定しており、フランスの名優、アラン・ドロンをスターダムに押し上げた名作「太陽がいっぱい」(昭和35年公開)を上映する。問合せは本庄さん(090-3478-5532)まで。【渡邊裕紀】





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