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石巻かわみなと大橋開通 旧北上川に新たなシンボル 利便性向上、救援道路にも

 旧北上川河口の日和大橋から上流約500メートルに架かり、石巻市の門脇・南浜地区と湊地区を最短で結ぶ「石巻かわみなと大橋」の開通式が、30日に行われた。これにより、東日本大震災後で被災した河口部の主要な道路網整備が完了。日常的な生活、通勤の利便性が増し、災害時には救助・救援道路として役立てられる。

 午後3時の一般開放に先立って午前にあった開通式には、国、県、市の関係者や最寄りの町内会の代表者らが参加。齋藤正美市長は「門脇、湊地区は新たなまちづくりが行われ、大いなる北上川の両岸を結ぶ橋ができた。かわみなととして栄えていた石巻のシンボルになる」とあいさつし、関係機関の協力に感謝した。続けて開通を記念したテープカットとくす玉開披があり、通り初めの車列が続いた。

開通を記念してテープカットとくす玉開披が行われた

 かわみなと大橋は両地区をつなぐ都市計画道路「南光湊線」(延長約1900メートル)の一部で、長さは536メートル。幅員12.5メートルの片側1車線で、設計速度は時速50キロ。上流側に幅3メートルの歩道が付いている。前後の取り付け道路を含む754メートルの整備が完了し、一部が津波に備えた高盛り土道路になっている南光湊線は、全線が通行できるようになった。

通り初めの車列。左が南浜の復興祈念公園

 橋は震災後、市が(仮称)鎮守大橋として計画。市民からの名称公募で現在の名前になった。事業費約97億1千万円で、財源に国の社会資本整備総合交付金(復興枠)を活用した。県が市から平成27年度に事業を受託し、工事を進めてきた。

 橋の両岸とも被災市街地の土地区画整理事業が行われ、湊側では産業ゾーンも形成。門脇側には県内の震災伝承の中核となる石巻南浜津波復興祈念公園が開園している。南光湊線は東の先で国道398号、西側で24日に全線開通した門脇流留線に接続し、物流の活性化や交通の円滑化だけでなく、祈念公園から東部をつなぐルートとしても期待される。【熊谷利勝】





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