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2度目宣言後初の週末 人出まばらも慣れ傾向 飲食店悲鳴「経営かなり厳しい」

 新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言の対象地域に追加された宮城県は28―29日、初の週末を迎えた。石巻地方の人出はまばらだったが、昨年4月の宣言時よりは多く、「自粛疲れ」「宣言慣れ」の様相も見られた。一向にコロナ収束の気配が見えない中で飲食店を使う客足も鈍く、店主からは先行きの不安や苦悩の声が聞かれた。

 県内では全飲食店に午後8時までの時短要請が出され、酒類提供も終日停止。石巻市末広町で中華料理店「雲雀」を営む韓輝さん(55)は「経営はかなり厳しい。従業員を休ませ、夫婦だけで運営するが、持ち帰りも思ったほど出ず営業するだけでマイナス。でも常連客もいるので何とか続けたい」と話す。

緊急事態宣言に伴うまちの声

休業を知らせる紙が張られた飲食店(石巻市中央)

 石巻市で居酒屋など6店舗を経営する(株)グローバルダイニングの武山雄樹社長(49)は「宣言の発令決定から執行までの期間が短く、準備が大変」と苦言を呈した。県の協力金には「マイナス分の補填としても足りない。融資で何とか減収分を埋め合わせているが、いずれ利息の支払いも生ずる」と危機感を露わにした。

 東松島市矢本のカラオケ店「カラオケランドスターみゅうじくん」は、昨年個室を抗菌仕様に改装するなど対策を講じ、売上もコロナ前の半分ほどに回復しつつあった。カラオケ店は休業対象であり、新井康子オーナーは「客足が戻りつつあったのに残念で、協力金は店の固定費の支払いにも足りない。コロナの収束がなければ元に戻すのは厳しい」と肩を落とした。

note用緊急事態宣言に伴うまちの声 (2)

道路上の電光掲示板でも不要不急の外出自粛を呼び掛けている

 店利用者は減少する一方、週末は観光地を訪れる県外車両も目立った。バイクで牡鹿半島をツーリングするため1人で来た福島県の男性(43)は「後ろめたさもあるが、自粛続きでストレスもたまる。屋外をバイクで走る程度なら大丈夫と思った」と話した。

 石巻地方でも感染者が増え続ける中、先週からは学校で2学期が始まった。県は県立学校(高校)に分散登校を求めているが、小中学校は市町村や各校の判断。小学生の子を持つ石巻市蛇田の今野美保さん(42)は「休校せずとも小中学校も分散登校などの対応は必要では」と話す。石巻中1年の千葉ふうなさん(12)は「部活が中止となり、所属する吹奏楽部も多くの大会がなくなった。発表の場が文化祭などに限られるのは寂しい」と吐露した。【山口紘史】


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