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市民祝う遣欧使節の偉業 出帆記念祭 復元船前で創作劇も

 慶長遣欧使節の帰国400年を記念した「出帆記念祭」が3日、サン・ファン館=石巻市渡波=で開かれた。当日は入館が無料となったほか、屋外では市民による創作劇や渡波獅子風流、伊達武将隊の演舞などがあり、秋晴れも手伝って多くの人が足を運んだ。【渡邊裕紀】

 1613年10月28日に、支倉常長ら使節団がサン・ファン号で石巻市の月浦を出帆したことにちなんだ記念祭。毎年この時期に開催され、今年は1日から「サン・ファン号を未来へつなぐコンクール」授賞式や映像作品の公開などの関連イベントを行ってきた。

 メインの3日は野外広場でステージイベントがあり、渡波獅子風流千寿会の豪快な舞いで幕開け。石巻地方の小中学生による合唱団「バルカローレサン・ファン」が美しく伸びやかな歌声を届け、伊達武将隊による演舞も注目を集めた。

サンファン出帆記念祭 (38)

市民劇団「夢回帰船」が使節船にちなんだ劇を披露した

 市民劇団「夢回帰船」による演劇では、東日本大震災をきっかけに現代から慶長時代にタイムスリップし、常長に間違われてしまう男を通して、仙台藩の人たちが南蛮船を作り上げていくオリジナルストーリーを展開。常長役で子孫の支倉正隆さんが特別出演し、独特な世界へ引き込んだ。

 脚本の都甲マリ子さんは「復元船は来年に解体されてしまうが、船の建造やそこに込められた思いを忘れないように伝えていきたい」と願いを込めた。同市蛇田から訪れた岡﨑達哉さん(37)は、「友人が劇団に参加しているので訪れた。サン・ファン館を訪れるのは久しぶり」と話し、娘の沙耶ちゃん(5)も「劇がとても楽しい」と見入っていた。


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