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「デジタルメディア」 ②現状 使用時間が正答率左右

 小学6年、中学3年を対象に昨年4月に実施された「全国学力状況調査」で、ゲームや読書、勉強の時間など家庭における習慣アンケートが実施された。

 このうち、東松島市分の結果では、小学生が平日(1日)にゲームやスマホ、タブレットへ割く時間は「4時間以上」が19.8%と県平均を5%近く上回ったほか、「3~4時間」22.7%、「2~3時間」23.9%、「1~2時間」20.1%という結果に。

 特に3時間を超える使用割合は、県平均を5~7%上回っていた。1日の読書時間も2時間以上と、30分から2時間以内の割合が県平均より低く、「全く読書しない」が32.3%と、3人に1人が本に触れず過ごしているようだ。

 1日の勉強時間は1~3時間が県平均を上回り、特に1~2時間が52.4%と半数を超えた。

 一方、中学生のゲームやスマホ使用時間は4時間以上が5.4%と県平均(8.8%)を下回ったほか、1~4時間の割合も県平均をわずかに下回った。勉強については、9割弱が毎日30分以上机に向かっており、このうち6割以上が1~3時間程度を学習に充てている。読書時間は「2時間以上」が6.5%で県平均をわずかに上回った一方、「10分未満」と「全く読まない」の割合が全体の半数を超えた。

 こうした生活習慣の調査と学力状況調査の結果を照らし合わせると、デジタルメディアと学力の関係が見えてくる。小学生で全くゲームなどをしない児童の平均正答率が国語66.9%、算数67.4%に対し、4時間以上使用する児童の正答率は国語52.5%、算数53.9%と大きな開きを見せた。

 中学生も全くしない生徒の正答率が国語66.2%、数学61.4%に対し、毎日4時間以上ゲームに興じる生徒の場合は国語56.1%、数学に至っては39.6%まで正答率が下がった。

 デジタルメディアとの関わりの有無による平均正答率の差は約15ポイントもあり、家庭における使用時間の差を解消していくことが、学力向上に直結する。特にデジタルメディアの使用時間を読書や学習、家族とのだんらんにあてることができれば、正答率向上だけでなく、表現力や人間性、語彙(ごい)力など社会性を高めることにもつながっていく。【横井康彦】






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