マガジンのカバー画像

石巻日日新聞

1,788
石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
運営しているクリエイター

#観光

行楽地軒並み人出増加 黄金週間 行動範囲拡大 萬画館3日間で1万人

 先月29日から今月7日まで最大で9連休となった今年の黄金週間は、最終盤こそ天気が崩れたものの、青空が広がった3-5日、石巻地方の行楽地や集客施設は軒並み前年を上回る人出となった。駐車場は他県ナンバーが目立ち、新型コロナ対策の緩和で人々の行動範囲が広がったようだ。【取材班】  石巻市中心部の石ノ森萬画館周辺では3-5日、ヒーローショーなど春のマンガッタン祭りがあり、約1万人が来場。「コロナ前のにぎわいが戻ってきている」という。いしのまき元気いちば前の堤防空間に人の往来や離島

204室の宿泊施設完成 女川町の5社連携で新事業 滞在観光でにぎわい創出へ

 女川町の中心地に新たな宿泊施設「Swimmy Inn Onagawa(スイミー・イン・女川)」が完成し、22日に落成式が開かれた。町内水産会社やスーパーマーケットなど5社で作る事業協同組合が町有地を借りて整備。部屋数は204室と町内宿泊施設では最大規模で観光滞在やスポーツ合宿、工事関係者の長期滞在など幅広い用途に対応し、町のにぎわい創出と経済循環に貢献していく。観光客の宿泊は黄金週間明けから可能になる見通し。  施設は黄金地区の国道398号沿い(おんまえや向かい)で、町有

野蒜ケ丘の眺望 四大観に匹敵 医療法人理事長・森さん 展望台整備し一般開放

 東日本大震災後の新市街地である東松島市野蒜ケ丘に、松島湾や整然と並んだ住宅地を眼下に収める展望台が完成した。団地西側の森さい生医院から続く階段状の遊歩道を10分ほど行った先にあり、同医院と石巻市新橋の森消化器内科外科を運営する医療法人済生の森理事長の森芳正さん(72)が整備。「松島四大観に匹敵する」という眺望を多くの人と分かち合うため、一般に開放している。  野蒜ケ丘展望台と名付けた場所は標高60メートル余りの丘の上。一度に15人ほど利用可能な3.25メートル×3.7メー

無機質な巨大防潮堤に彩り 自然と一体的な壁画完成 雄勝に「海岸線の美術館」

 石巻市雄勝町上雄勝で東日本大震災後に建設された巨大防潮堤に壁画が完成し、26日に「海岸線の美術館」として開館した。灰色の無機質な壁面に色彩が加わり、背景の自然と一体的な新たな風景を生み出している。  完成したのは高さ7.5メートル、幅54.6メートルの壁画。題名の「テオリア」は「観想」という意味のギリシャ語で、「雄勝の海辺」の意味も込めた。芸術家の安井鷹之介さん(29)=東京都=が各浜でスケッチした風景を一つに混ぜ合わせた絵で、木々の間から水平線や対岸が見える雄勝特有の移

縄文村資料館・開館30周年 3年かけ最古の丸木舟完成 延べ1千人石斧振るう

 東松島市の奥松島縄文村歴史資料館(菅原弘樹館長)の開館30周年を記念した祭りが30日、同市宮戸の同館で開かれた。記念事業として3年前から制作してきた「縄文の丸木舟」のお披露目と進水式があり、多くの利用者が見守る中、舟が水面に浮かび、節目に花を添えた。  同資料館は里浜貝塚(平成7年に国史跡)の保存、活用やまちおこしの核となることを目的に平成4年に開館。平成17年に来館30万人を達成し、20年には「さとはま縄文の里 里浜貝塚史跡公園」がオープン。塩作りや火起こしなど多くの体

ねずみくんのチョッキ展 誕生45周年 心温まる物語 1月9日まで石ノ森萬画館

 ロングセラー絵本の世界が楽しめる石ノ森萬画館の第87回企画展「誕生45周年記念ねずみくんのチョッキ展~なかえよしを・上野紀子の世界」が来年1月9日まで同館で開かれている。初作からこれまでの計20作品に焦点を当て、子ども目線に配慮して展示の高さも工夫した。観覧料は大人900円、中高生600円、小学生250円、未就学児無料。  昭和49年に誕生した「ねずみくんのチョッキ」は、作家であるなかえよしをさん、画家の上野紀子さん夫婦が共同作業で生み出した作品。「ねずみくんシリーズ」と

女川温泉ゆぽっぽ 地震被害の改修終える 1年4カ月ぶり再開にほっと

 昨年2月と5月の地震などで被災した女川町温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」が21日、1年4カ月ぶりに営業を再開した。JR女川駅の駅舎と一体になった同施設は、東日本大震災を経て新しくなった中心部の顔。再開を告げるセレモニーがあり、湯船に漬かった住民や観光客だけでなく、改修工事を進めた町の関係者がほっとしていた。 駅舎一体の憩いの場 セレモニーでは指定管理団体の吉田雅支配人が再開宣言。女川港大漁獅子舞まむしが祝いの舞いを披露し、花を添えた。須田善明町長は「お待たせしましたという

旅行情報誌「じゃらん」調査 石巻市・上品の郷 道の駅満足度で全国2位

 旅行情報誌「じゃらん」(リクルート)が実施した道の駅に関するアンケート調査「全国道の駅グランプリ2022」が発表され、石巻市小船越の「道の駅上品の郷」(浮津康逸駅長)が全国2位となった。これまで常に上位の「あ・ら・伊達な道の駅」=大崎市=を上回る満足度を獲得。上品の郷は今年、屋外テナントのリニューアルや地場産品の認定制度など新しい取り組みも進めている。  「じゃらん」は、全国の20-50代の男女を対象に、3月15-18日にインターネットでアンケートを実施。3805人から回

新しい大人世代の情報誌 おとなDAYS Vol.10

【特集】おいでよ青の国へ 遊ぼうよ 野蒜で 東日本大震災からの復興で宅地とJRを高台に移し、平成29年にまちびらきした東松島市の野蒜ケ丘。防災集団移転団地であり、閑静な住宅地の中にも見どころは多い。高台を下れば移転元地や低平地に観光スポットが広がり、目を閉じれば潮風が頬をなでる。東松島のイメージカラーは青。青い海と空。あらたなの夏がここにある。 ●使い方は自由・無限大 皆が集える〝第2の家〟 【いろどりの丘】  複合施設「いろどりの丘」は、我が家のような感覚で和める。初夏

浜焼きで味わう海の恵み 複合施設「海 番屋フジマル」 半島活性化に一役

 養殖業者(有)フジマル佐藤商店(佐藤泰智社長)=石巻市小渕浜=は、同浜の県道沿いに食堂、浜焼き小屋、直売所、休憩所を併設した複合施設「海 番屋フジマル」を今月から立ち上げた。カキ、ホヤ、ワカメ、アナゴなど獲れたてを「漁師が考える一番おいしい食べ方」で味わえるのが特長。同社の佐藤秋義会長(73)は「本物の味を多くの人に楽しんでもらい、地域の魅力を発信したい」と意気込んでいる。 ■小渕浜・食堂や直売所併設 番屋とは漁師が漁場近くに設ける作業場兼休憩所。早朝から働く漁師のために

人気声優と石巻まで旅 仙石線マンガッタンライナー 陸前小野駅で海斗ショー

 JR東日本仙台支社は21日、人気声優の関智一さんらと一緒に鉄道の旅を楽しむ「仙石線マンガッタンライナーで行く!石ノ森萬画館の旅」を開いた。県内外から約70人が参加し、仙台駅から石巻駅間を運行する特別運行列車に乗ってトークショーなどを楽しんだ。  県制150周年記念で、萬画館と仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会、JR東日本仙台支社などが協力した特別企画。コロナ禍で1年先送りされていた。人気アニメ・ドラえもんのスネ夫役などで知られる関さんは震災後、萬画館との縁が深く、これま

安心安全な旅へ工夫必須 新システム 課題山積 通信環境、代替案にも着目

 今月15-16日のМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モデルツアーは、トンガ諸島の海底火山爆発による津波注意報発表で1日目だけでやむなく中断された。それでも旅行実施前に船便のチケットを予約、決済を済ませて現地へ向かうという新たなシステムを試行できた。今後の課題を整理してみた。  まず、スマートフォンにアプリを取り込んでの予約・決済。これは画面の指示に従えば、それほど困難ではなかった。不明な点はスタッフにアドバイスを仰いだが、間違って購入したチケットをキャンセルして買い

捕鯨のまちと絶景の宿 石巻市・鮎川浜 離島中継地から滞在地へ

 一般社団法人石巻圏観光推進機構が主催したМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モニターツアーは、トンガ諸島の海底火山噴火による津波注意報発表で、2日目で中断となり、朝に乗船予定だった鮎川―金華山の船便が欠航。宮城県沿岸一帯に出された津波注意報はなかなか解除されず、結局ツアー続行を断念。安全を確認し、石巻へ直帰した。スタッフは「緊急対応の経験になった」と図らずも災害時のシミュレーションにもなった。  今回目玉にしていた田代島、網地島、金華山に渡るには、船のターミナルを使う

灯台下暗しのリゾート地 石巻市・田代島 ここでしか味わえない時間

 トンガ諸島の海底火山噴火による津波注意報で、中断となったМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モニターツアーは、新たなチケットの予約・決済システムの予行演習であると同時に「コロナ後」を見据えたツーリズムの試運転という側面もあった。ツアーを主催した一般社団法人石巻圏観光推進機構が着目したのは離島の田代島、網地島、金華山。今回唯一渡った田代島の魅力とは―。(3回続き)  石巻中央桟橋から島の北側・大泊まで約40分。仙石東北ラインで石巻から仙台へ行くよりも近い。旧北上川の河口