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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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2023年8月の記事一覧

記憶の中の石巻

展示会と写真集出版 竹内敏恭さん 震災前に撮影  東日本大震災前の石巻市内の風景を撮影した多数のモノクロ写真が、石巻市橋通りのホシノボックスピア内「人とアーカイブの交差点」で展示されている。入場無料。11月6日まで。主催のNPO法人石巻アーカイブ(小野寺豊代表理事)は、これらを掲載した写真集「震災前の石巻2002―2011」を9月1日に発売する。  撮影したのは東京都在住のアマチュアカメラマン、竹内敏恭さん。2002年(平成14年、以下西暦表記)から妻の実家がある石巻市を

飲んで食べてリズムに乗って トリコローレに77団体 ボンバールのべ500人満喫

 「第18回トリコローレ音楽祭」(同祭実行委員会主催)が27日、石巻市の中心市街地で行われた。ロックや吹奏楽、ジャズなどさまざまなジャンルの77団体、総勢420人が街なかに音楽を響かせ、のべ4千人が来場した。ボンバールいしのまきも26―27日にあり、39店舗が参加。演奏を聴きながら飲食を楽しむ人の姿もあった。  イタリア語で三色旗を表すトリコローレにそれぞれ「海・人・音楽」を当てはめ、テーマとする音楽祭。平成16年から音楽で石巻を明るく盛り上げていくことを目的に地元の有志に

航空祭4年ぶり通常規模 曲技飛行に4万人歓喜 ブルー大空にスモーク

 航空自衛隊松島基地で27日、航空祭が開かれた。コロナ禍による入場者数の制限を撤廃し、飲食販売も解禁するなど4年ぶりの通常開催。ブルーインパルス、戦闘機F2の機動飛行、米国戦闘機F16のデモフライト、航空機や装備の展示など航空ファン垂ぜんのイベントに県内外から約4万人(主催者発表)が来場した。  コロナ禍では感染状況を鑑み、令和2、3年の開催を中止。昨年は抽選で2万5千人とし、基地内では飲料提供と商品の物販に限り出店が置かれたが、今年はコロナ禍前に全て戻り、物販、飲食の計7

【参加者募集中!!】北上川とエネルギーの旅2023秋~親子で考えるSDGs~

 石巻日日新聞社は9月30日(土)に開くバスツアー「親子で考えるSDGs北上川とエネルギーの旅」の参加者を募集しています。9月5日締め切り。小学生とその保護者が対象。親子10組20人を定員とし、参加費は大人1,500円、子ども1,000円(昼食、交通費込み)。  石巻地方を象徴する北上川とエネルギーがテーマ。持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、この地域でずっと暮らしていくためにどう行動すべきかを親子で考えます。当たり前の存在であり、身近であることから、大河が流れるまちの

根掘り葉掘り野菜で芸術 石巻市旭町 住民創意工夫の仕掛物

 石巻市の旭町通りで23日、コロナ禍を経て4年ぶりの「野菜仕掛物祭り」が開かれた。果菜、根菜から葉物まで野菜の色や形を生かしてさまざまな物や話題の出来事を模した作品が民家の庭先などに並べられ、訪れた人の目を楽しませた。  町内会の旭町恒心会(日野雅晴会長)主催。町内の市道約200メートルを車両通行止めにし、班ごとに制作した5作品を展示。各班代表者や報道関係者が審査し、金、銀、銅の各賞を授与した。  金賞は石巻川開き祭りをテーマにした第5班の「次の100年へ」。今年の第10

〝バルキリー〟生みの親が来石 萬画館企画展で河森さん トークとサイン会

 石ノ森萬画館で開催中の企画展「超時空要塞マクロス展」に関連し、可変戦闘機「バルキリー」のデザインを担当した河森正治さんが19―20日、石巻市でサイン会とトークショーを行った。河森さんは劇場版マクロスの監督を務め、その後もさまざまなアニメやゲーム作品に関わり、ベテランのクリエイターとして第一線で活躍している。  サイン会は限定50人で事前申し込み制。石巻市蛇田の渡辺幸成さん(43)は「マクロスシリーズは世界観や歌を軸に据える部分が魅力だが、メカのデザインも素晴らしい。河森さ

大人も子どもも輪になって 石巻地区盆踊り大会 垣根越え12町内会連携

 石巻市の羽黒町や中央、立町周辺の12町内会で構成する石巻地区町内会長連絡協議会(高橋静子会長)は20日、市かわまち交流広場で初の「盆踊り大会」を開いた。にぎわいと交流を目的に町内会の垣根を越えて企画。役員が踊りを教え、浴衣姿の住民は「大漁踊り」や子ども向けの「ドラえもん音頭」などに合わせて楽しく踊った。  夏の風物詩である盆踊りは、かつて町内会単位の夏祭りの中で行われていたが、東日本大震災後は復旧復興に追われ、夏祭りそのものが見送られた。再開への機運が高まりを見せるころ、

原発避難のアプリ実証試験 時間短縮に一定効果

 東北電力女川原子力発電所での重大事故を想定し、県が来月から導入を進めるスマートフォン用「避難支援アプリ」の実証試験が19日、登米市の登米総合支所駐車場で行われた。避難ルート途中にある検査所の手続きで、アプリを使った場合と使わない方法を比較し、時間短縮効果を実証するもので、女川町民や県職員ら計50人参加。アプリ利用でヨウ素剤の注意説明や線量検査済み証を渡す時間の短縮が確認されたが、高齢者からは「アプリの使い方が難しい」などと不安や戸惑いの声も聞かれた。  避難支援アプリは、

超難関 英検1級2度合格 「挑戦に年齢関係ない」

 女川町竹浦の鈴木成夫さん(74)が実用英語検定試験(英検)1級を受験し、約30年ぶりに2度目の合格を果たした。英検1級はちまたで〝超難関〟と呼び声の高い試験。元石巻市職員の鈴木さんに留学経験はなく、NHKのラジオ英語講座を長年愛聴し、独学で英語力を磨いてきた。「こんなおじいさんでもやればできる。可能性は無限大だと、地域の子どもたちにも示せたと思う」と充実感をにじませた。  鈴木さんは昔から英語が好きで、中学時代からラジオ講座を聴講。英会話教室に通ったことはなく、講座で日常

時空を超え曽祖父と対面 アイトピア櫻井さん 92年前 本紙に立志伝

 戦争で失われた戦前の石巻日日新聞のうち、昭和6年の1部がこのほど石巻市中央二丁目の櫻井健司さん(50)宅から見つかった。紙面には地元や国内外のニュースとともに櫻井さんの曽祖父、修也さんの立志伝があった。裏町(現在のアイトピア通り)に店を構え、繁盛させるまでの苦労話や処世訓などが記されていた。 今に通じる金言20か条 櫻井さん宅は、震災前まで営業していた櫻井洋品店。昭和初期からの商店街の写真が残っており、NPO法人石巻アーカイブの小野寺豊代表に見てもらおうと持ち込んだ中に昭

河川敷に大輪の花咲く 鳴瀬流灯花火 改めて〝100回大会〟

 東松島市鳴瀬流灯保存会(片岡健治代表)主催の鳴瀬流灯花火大会が16日、同市小野地区の鳴瀬川左岸鳴瀬大橋周辺の河川敷で4年ぶりに行われた。強風や満潮の影響で流灯は中止し、代わりに丘灯籠で対応。およそ800発の花火が夜空を焦がしたほか、太鼓演奏や各種出店でにぎわいを見せていた。  故人や先祖をしのぶ送り盆の伝統行事として大正11年から継承されてきた流灯花火大会。東日本大震災後は震災犠牲者の御霊を慰める「鎮魂と追悼」も込めて開かれてきたが、昨今はコロナ禍で中止が続いていた。本来

「戦争の足音が」と警鐘 国策にほんろう 終戦期の中国・日本見つめ

 きょうで終戦から78年。石巻市鹿又の阿部静さん(101)は「南満州鉄道」のグループ会社「華北交通」で鉄道機関士をする夫、峯雄さん(享年81)へ嫁ぎ、昭和16年に中国河北省の張家口市に渡った。敗戦後の20年冬に引き揚げるまで約4年過ごし、その間に現地の中国人と交流を深め、収容所生活も体験。国に振り回された阿部さんは「最近のテレビを見ていると当時を思い出す。戦争の足音が聞こえるようだ」と警鐘を鳴らす。  阿部さんは大正11年、鹿又道的の米農家の生まれ。10人きょうだいの長女で

盆の夜に紙灯籠ともす 大川小 おかえりプロジェクト 

 追悼と交流で地域住民が集う「第2回おかえりプロジェクト」が13日、震災遺構の大川小学校=石巻市釜谷=で開かれた。中庭に震災当時の在校児童数と同じ108個の紙灯籠を並べたほか、校庭や昇降口などに計360個をともし、震災で犠牲になった人たちに静かな祈りをささげた。 卒業生らが犠牲者追悼 大川小学校の卒業生を中心に作る「Team大川未来を拓くネットワーク」(只野哲也代表)が主催。震災の支援活動などで、全国各地と交流したことが縁となり、同ネットワークが昨年初めて開いた。  今年

強度増す木組み後世へ 石巻市大原浜大工、小形さん

 大工歴50年以上の小形圭一さん(69)=石巻市大原浜=は、金物を極力使わず木材だけで建物を作る日本の伝統技術「木組み」の手法を用いる。住宅の建設、修繕の担い手である大工が全国的に減る中、小形さんは「伝統を絶やしたくない。木組みの強度や美しさを若い世代に知ってほしい」と考え、昨秋ごろから作業場を無料開放。木組みの屋根や門、堂宮などを展示、紹介している。 「伝統は絶やさない」 作業場開放し技術紹介  小形さんは幼少からの物作りの趣味が高じ、大原中学校を卒業した15歳から主に