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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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2023年5月の記事一覧

本土と離島結ぶ巨大アーチ 女川町「出島架橋」整備 中学生が工事現場見学

 女川町の離島、出島(いずしま)と本土の竹浦をつなぐ「出島架橋」の組み立て工事が進んでいる。アーチ形の橋本体(長さ364メートル)の組み立ては架設場所から離れた女川港石浜地区の岸壁で行われており、完成後、今秋には海上輸送して架け、町道女川出島線と接続する。地元にも橋に対する愛着や興味関心を持ってもらうため、30日は女川中学校1年生31人を対象に石浜の工事現場見学会を実施。生徒は間近で見る橋の大きさと迫力に驚きの表情を見せていた。  町は昭和54年から島民の利便性向上や災害時

赤十字周辺で民間開発計画 石巻市都市計審議会 医療福祉、大型商業施設

 石巻市は30日の市都市計画審議会(丸岡泰会長)で、蛇田の石巻赤十字病院周辺で民間開発による大型商業施設や医療・介護施設などの建設が計画されていることを明らかにした。令和9年4月の開店が想定されているという。審議では、県に対して同病院を含む市街化調整区域21.1ヘクタールの市街化区域編入を申し出する石巻市案を承認した。  市街化区域の編入は県の決定事項であり、石巻市案としての申し出が必要になる。開発が計画されているのは、三陸道石巻女川インターチェンジと国道45号の間の西道下

趣向凝らした古里賛歌 「カンタータ大いなる故郷石巻」 10年に1度の上演

 昭和48年の石巻市市制施行40周年を記念し、10年に1度上演されている市民参加型舞台公演カンタータ「大いなる故郷石巻」が28日、マルホンまきあーとテラスで開催された。女優の三國裕子さん(72)の総合演出によるソプラノとバリトン、大合唱、管弦楽、踊りを融合した新たな古里賛歌を披露。1千人を超す超満員の観客が惜しみない拍手と歓声を送り、石巻の魅力を再確認した。  10年ごとに上演されているカンタータだが、震災後の新たな芸術文化の拠点として複合文化施設が開館したことを記念し、令

「石巻町報」第1号見つかる 市報の原点 大正11年発行

 石巻市の広報紙「市報いしのまき」の原点となる「石巻町報」(発行・石巻町役場)の第1号が見つかった。発刊の辞で、当時の武山一郎石巻町長は「町務の状況を民衆に知らせる方法がなかった」と発刊の理由を説明。町役場は「町民諸君に報告」と見出しを立て、小学校や図書館、金融機関など閲覧場所を明記していた。町報は㈱青葉電気商会=同市鋳銭場=の店主、佐藤英一さん(75)の自宅で発見された。  「亡くなった父親の私物を整理しようと4月に自宅(水明町)にあった机の引き出しを開けたら、ビニール袋

線路転落の10代男性救う

JR東日本から感謝状  JR東日本東北本部は23日、ホームから線路に転落した10代男性を助けるため、迅速に列車の停止手配を行った石巻工業高校3年の冨士原琉さん、石巻好文館高校2年の早坂未来さんに感謝状を贈った。偶然事故現場に居合わせた2人は的確な対応で列車を止め、男性は車掌らの手で線路から引き上げられ、無事に救助された。 的確に列車停止手配  事故があったのは今月9日午前7時40分ごろ。野蒜駅で石巻方面に向かう仙石線下り列車を待っていた10代男性が誤ってホームから約1・3

1万人来場にぎわい復活

第30回サン・ファン祭り  石巻の初夏を代表する大型イベント「サン・ファン祭り」(同実行委員会主催)が21日、石巻市渡波のサン・ファンパークで開かれた。今年は第30回の節目となり、コロナ禍の中止や変更を経て、令和元年以降、4年ぶりの通常開催にこぎ着けた。朝から青空が広がる好天に恵まれ、市内外から約1万人(主催者発表)が来場。地元団体によるステージ発表や多彩な飲食ブースが展開され、にぎわいに包まれていた。 「夢回帰」掲げ初心と伝承  パーク近くにあった復元船サン・ファン・バ

笑いネタの瞬発力競う 大喜利マスター決定戦 27芸人 奇抜回答連発

 地域を笑いで盛り上げる企画「石巻笑いの日」(石巻笑いの街プロジェクト主催)が6日、市かわまち交流センターで開かれた。全国から集まった若手のお笑い芸人27人が「大喜利マスター決定戦」に臨み、会場を笑いの渦に包んだ。  市の地域おこし協力隊であり、「ふあん☆がーる」として芸人活動する清水一宏さん(42)が企画。笑いを生かした地域活性化の一環であり、清水さんの呼び掛けで多くの芸人が石巻市に集結した。  大喜利マスター決定戦は、4ブロックに分けて予選を行い、敗者復活を含めた9人

大型客船3隻4回寄港予定 過去最大級「ベリッシマ」も 海の玄関口再興に期待

 新型コロナの対策が緩和され、石巻港で今年、3隻4回の大型客船の寄港が予定されている。このうち2隻は初寄港となり、特に「MSCベリッシマ」(総トン数17万1598トン)は過去最大級。船旅を提供するクルーズ客船の受け入れは天候に左右される〝水物〟だが、関係者はコロナ禍で落ち込んだ観光の再興に期待を寄せている。  石巻港では昨年11月、コロナ禍を経て3年ぶりに日本国籍のクルーズ船1隻が寄港している。それに続く今年、3隻のうち2隻が外国船籍。いずれも横浜港発着の日本人向けのツアー

世界のアオキらプロ直接指導 スナッグゴルフ体験会 基礎と一緒に礼儀学ぶ

 簡略化したルールでゴルフの基本と技術を学ぶ「スナッグゴルフ体験会」が7日、石巻市総合体育館で開かれた。市内外の小学生親子約60人がプロゴルファーの指導を受け、技術と一緒に礼儀や思いやりなども学んだ。  体験会は一般社団法人日本ゴルフツアー機構(青木功会長)、ジャパンゴルフツアー選手会(谷原秀人会長)の主催。同機構からは市内6つの小学校と市スポーツ協会に対して1組ずつスナッグゴルフセットが贈られた。寄贈は3回目で、全32校中12校に導入された。  ゴルフ界で〝世界のアオキ

行楽地軒並み人出増加 黄金週間 行動範囲拡大 萬画館3日間で1万人

 先月29日から今月7日まで最大で9連休となった今年の黄金週間は、最終盤こそ天気が崩れたものの、青空が広がった3-5日、石巻地方の行楽地や集客施設は軒並み前年を上回る人出となった。駐車場は他県ナンバーが目立ち、新型コロナ対策の緩和で人々の行動範囲が広がったようだ。【取材班】  石巻市中心部の石ノ森萬画館周辺では3-5日、ヒーローショーなど春のマンガッタン祭りがあり、約1万人が来場。「コロナ前のにぎわいが戻ってきている」という。いしのまき元気いちば前の堤防空間に人の往来や離島

100年後も続く祭りへ 「青い鯉のぼり」450匹 未来の子どもに希望託す

 子どもの日の5日、「青い鯉のぼりまつり」が東松島市の矢本海浜緑地公園近隣の広場であり、全国から寄せられた約450匹のこいのぼりが掲げられた。市内外から多くの人が訪れ、東日本大震災で犠牲になった子どもたちへの鎮魂の思いと伝承の決意、未来への希望を共有した。  掲揚は震災で家族4人を失った伊藤健人さん(30)=東松島市職員=が亡くなった弟の律君(当時5歳)が好きだった青いこいぼりを大曲浜の自宅に掲げ、「天国でも寂しい思いをしないように」と祈ったのが始まり。  これまでは子ど

紙と電子書籍使い分け こども読書週間 心に残る一冊に出合う

 紙の本か、それとも電子書籍か。読書の仕方も好み次第。本は収納場所を要すが、電子書籍にはその必要がない。紙で読めば充電は不要だが、スマートフォンなど電子メディアは充電が生命線。こういった互いの強み、弱みを鑑みて使い分けてみるのも楽しい。  石巻地方の図書館では今のところ、いずれも電子書籍導入の見通しは立っていない。コスト面での負担に加え、導入後の利用者層の獲得など運営面での懸念も拭えない。  東松島市図書館の冨士原郁子館長は「本の返却に来た利用者がカウンター越しに感想を教

個性派ライト文芸が人気 未来屋書店石巻店 親子で本に親しむ場

 読書推進に向け、石巻地方の図書館は職員や司書が企画、展示などで知恵を絞るが、民間の書店も本と学びに重点を置いている。図書館が教育的な役割を担う一方、書店は趣味、娯楽の利用が主となり扱うジャンルも幅広い。  イオンモール石巻=同市茜平=内の未来屋書店石巻店(尾張早矢香店長)は、小中学生がホームルームで取り組む朝の読書に合わせて児童書商品の充実を図り、高校生以上は市内で取り扱いの少ない人文系の新刊も豊富にそろえている。  同石巻店は、市内に気軽に足を運べる文化施設が少ないこ

知恵絞って読書推進 タネまく石巻地方の図書館 おとまり会で空想刺激

 本を手に取り開くより、つい目の前のスマートフォンを手にしてしまう。読書離れは進み、その傾向はとりわけ若い世代に顕著に見られる。ただ、図書館や学校図書室、書店など本に触れる環境は案外身近にあるもの。こども読書週間(4月23日―5月12日)に合わせ、大人も一緒にお気に入りのタイトルを探してみては。(3回続き)  どんなジャンルで何を読もうかと迷ったら、まずは図書館がおすすめ。本にもっと親しめるように図書館司書や職員が知恵を絞り、特設コーナーやイベントなどで〝読書のタネ〟をまい