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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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2022年6月の記事一覧

「皆の行動につながれば」 ウクライナ支援公演 5年ぶり三國さん一人芝居

 石巻市の女優、三國裕子さん(71)のウクライナ支援チャリティー公演が26日、マルホンまきあーとテラスで行われ、2回の公演で約300人が観劇。家族が住む石巻市にウクライナから避難してきたイリナさん(62)、リディアさん(86)は客席で涙ながらに舞台を見つめた。「1日も早い戦争終結を」「戦争は絶対にダメ」とのメッセージに、会場は一体感に包まれた。チケットの売り上げと募金箱に寄せられた寄付金などは、日本ウクライナ友好協会を通じて現地に送られる。【本庄雅之】 「戦争ダメ」避難者涙

医師の長純一氏が死去 震災後の地域医療に尽力 56歳 1週間前がん公表

 元石巻市包括ケアセンター長で、被災地医療に尽くした医師の長純一(ちょうじゅんいち)氏が28日午後3時38分、すい臓がんのため石巻市内で亡くなった。56歳。葬儀は無宗教で、一般弔問は30日が午後6時―7時半、7月1日は午前10時―正午で、いずれも石巻大街道斎場清月記=同市大街道北=。喪主は妻の明子さん。【本庄雅之、山口紘史】  長氏は、今月21日に動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じて生配信し、療養中の市内の自宅から末期がんを公表。「早ければ数週間」とも語った。長氏を支える

ボール蹴って川越え挑戦 堤防一体空間で絆交流フェア

飲食企画「ボンバール」同時開催 東日本大震災後にできた復興支援の交流やつながりに感謝する「絆交流フェア」が25―26日、石巻市中央のかわまち交流センター周辺で開かれた。堤防一体空間では、東京都調布市、秋田県湯沢市、山形県米沢市から特産品の出店があったほか、バンド演奏なども行われ、河岸では中瀬に向かってサッカーボールを蹴るイベントが注目を集めた。飲食店を食べ歩く「ボンバールいしのまき」も同時開催され、週末のまちなかに多くの人が繰り出した。  フェアは震災後に世界中から受けた支

ミニサッカー大会副賞はマグロ丼 まちおこし 女川町議が企画

「楽しい」は人呼び込む要素優勝チームに「まぐろ屋明神丸」=シーパルピア女川内=のマグロ丼が振る舞われる副賞が付いたミニサッカー大会が18日、女川町総合運動公園で開かれた。「サッカーを通じて女川の魅力に触れてほしい」という主催者の思いが形になった企画で、石巻地方や仙台圏から小学2年以下計8チームが参戦。優勝したFCセレスタ=仙台市泉区=は新鮮なマグロ丼を頬張り、思い出を刻んでいた。 サッカーと飲食店つなぐ 女川町にはスタジアムや野球場など大規模なスポーツ大会を催せる環境があ

元市立病院医師の長氏 末期のすい臓がん告白 動画サイトで公表「思い引き継いで」

 元石巻市包括ケアセンター所長で、昨年の石巻市長選や知事選にも出馬した医師、長純一氏(56)は21日、末期のすい臓がんであることを告白した。動画投稿サイトのユーチューブで生配信した。現在は自宅で療養し、抗がん剤治療を行っている。震災復興に全力を注いだ10年間を振り返り、長氏は「私の思いを少しでも引き継いでもらえれば」と石巻の未来を願った。  東京都生まれの長氏は信州大学医学部卒で、長野県の佐久総合病院に19年間勤務。震災後、同県医療団長として石巻市を訪れ、平成24年4月から

震災遺構門脇小 開館2カ月半で1万人 節目来館は県外グループ

 震災遺構として石巻市が整備した旧門脇小学校が19日、一般公開が始まった4月3日以降の累計来場者数が1万人に達した。愛知県、岐阜県、神奈川県などに住む親戚6人グループが節目の来場者となり、齋藤正美市長やリチャード・ハルバーシュタット館長から記念品として缶詰や菓子類が贈られた。コロナ禍でも県内外から震災を学びに訪れる人は多く、施設では今後も広く来場を呼び掛けていく。  1万人目は岐阜県に住む任用職員の幸村奈美子さん(45)をはじめ、愛知、神奈川、宮城に住む40―70歳の嫁、姑

世界レベルの技で魅了 欧州組女子が女川集結 早稲田大と復興支援マッチ

 東日本大震災の被災地をサッカーで応援しようと、海外で活躍する女子選手と大学チームによる「欧州女子集結チャリティーマッチ2022IN女川」が19日、女川スタジアムで開かれた。スペイン2部で活躍する千葉望愛選手(31)らが特別チーム「プロタゴニスタ」を結成し、昨年度の全日本大学女子サッカー選手権覇者の早稲田大学ア式蹴球部と対戦。試合は1―5で敗れたが、随所に世界レベルの技能を見せつけた。  試合は、欧州組集結マッチ実行委(寺田美穂子委員長)主催。海外でプレーする女子サッカー選

プロ・アマ問わず「お気軽に」 石巻市穀町 スタジオかれん 自宅離れをリフォーム

 演奏家の皆さん、プロ・アマ問わず、スタジオで練習したり、小さな発表会を開いたりしませんかー。声楽家団体である東京二期会所属のソプラノ歌手で、声楽とピアノの教室を開いている渡邊かれんさん(43)が、石巻市穀町の自宅をリフォームして「スタジオかれん」をオープンさせた。21畳ほどの部屋は石巻駅からも近く、音楽関係者には手軽なスタジオになりそうだ。  渡邊さんは石巻中学校を卒業後、仙台の常盤木学園高校音楽科を経て国立音楽大学声楽科を卒業。二期会オペラ研修所マスタークラス終了後、東

「政治参加」 ⑤提言 それとない接点と地域の愛着

 石巻市の投票率は近年、どの選挙も50%前後となっており、特に若い世代の投票率が低い。インターネットやSNSで近所よりも遠く離れた人とつながる時代であり、すぐに市政の関心を高めるのは難しい。投票や政治参加が当たり前になるよう、子どものころから家庭や学校、地域でそれとなく接点を増やし、地元に興味や愛着を持てるようにすることも必要だろう。  なぜ、若者の政治参加が少ないのか。投票率向上に向けた石巻専修大学有志の座談会メンバーだった佐藤香伽さん(25)は「国や社会に問題意識を持た

「政治参加」 ④展望 家庭や学校の教育重要に

 石巻市で最も投票率が高い年齢層は65―69歳。義理堅いこの世代も、高齢化に伴って投票所に足を運ぶのがおっくうになったり、選挙そのものへの興味も薄れてきたりする。当然、若い世代が政治やまちづくりの中心を担っていかなければならないが、下の年齢層ほど投票率が低い。国や社会、地域の課題を自分ごとに考え、政治に参画していけるための教育が重要になる。  高校では4月から、公民科の「公共」が必修化。「現代社会」に代わる新科目であり、法や政治、経済といった幅広いテーマについて、単に知識を

個性尊重 私服もOK 石巻地方初・北上中 月1度は服装自由の日

 石巻市立北上中学校(藤山篤校長・生徒43人)は16日、学校で制服、私服問わず、自由な服装で過ごす「オウンクローズデー」を展開した。石巻地方では初の取り組みで、本年度から月1回実施しており、生徒からは好評で継続を望む声も聞かれた。  オウンクローズデーは、生徒が自由に着る服を選び学校生活を送る日のこと。「制服自由の日」「カジュアルデー」などの名称で全国に広がっており、個性や多様性を尊重して本人の望む服装を選びやすくするなどの狙いがある。  県内でも仙台市内の中学校で先行事

「政治参加」③対応 成功体験の積み重ね

 自分たちの声を政治に届けたい。そんな思いから石巻市議選を前にした4月30日、中高生や大学生、保護者、子ども・子育て支援に関わる人ら15人が市子どもセンターらいつに集まり、立候補者に対する意見書の作成に取り組んだ=写真=。  意見書の作成は、「子ども子育てにやさしいまち」をテーマとしたワークショップ形式。複数のテーブルに分かれ、石巻で暮らしていて困っていること、気になっていることなどを出し合った。その後、市政運営の指針となる第2次総合計画を確認。興味のある施策分野ごとにグル

石巻の4海水浴場開設へ 十八成浜は12年ぶり コロナ小康踏まえ判断

 石巻市は、新型コロナウイルス感染症拡大が落ち着いていることから、今夏、渡波、白浜(北上地区)、網地島白浜(牡鹿地区)、十八成浜(同)の4つの市営海水浴場を開設すると発表した。このうち十八成浜は東日本大震災前の平成22年以来12年ぶり、ほか3カ所は3年ぶりの開設。荒浜(雄勝地区)は地元と協議した結果、今年も見送ることになった。  市は地元の意見を伺い、開設の可否を判断した。最も早く海開きを予定しているのは十八成浜で7月16日から37日間の開設。網地白浜は7月22日から31日

新手法「採りっきり栽培」拡大 東松島産アスパラガス 挑戦3年目 産地化前進

 高収益作物として知られるアスパラガスの栽培が、東松島市を中心に広がりを見せている。通常は収穫まで2―3年かかり、病害虫対策など手間もかかるが、明治大学が開発した1年で収穫する新しい手法「採りっきり栽培」を広げるため、県ではアスパラガス研究会を立ち上げ、東松島市で農業者を対象にした栽培講習会を開いている。産地化に向けた取り組みは3年目を迎えており、地域の新しい特産品として期待されている。  アスパラガスは北海道が一大産地で、4月初めから8月ごろまでが市場に最も出回る時期。県